vol.7 【思い出の書店】

 最近見ているYou tubeに「出版区」というチャンネルがある。内容は芸能人・タレントに1万円を渡し、本屋で好きな本を1万円分買ってもらうというもの。
 その動画を見ていて思い出した、私が通っていた書店について。

 まず一番幼いころの記憶にある書店が、福井市板垣3丁目にあった「ハロウィン」という書店。
 この書店に関してはネットで検索しても情報がなく、おそらく私が小学4~5年生であった平成15~16年ころに閉店してしまったと記憶している。この書店は、当初は売り場面積も大きく、店の奥の方にはCD等も売っていたような。当時住んでいた家が近く、保育園生のころに大きな店舗だったと記憶している。
 その後、改装リニューアルし店舗を小さくして営業していた(規模でいうとコンビニくらい?)。
 このハロウィンで親に買ってもらったと記憶しているのは、漫画「DRAGON BALL」。1巻から幼年期の物語はこの書店で買ったかなくらいの記憶。

 次に福井市御幸3丁目にあった「BOOKS ポピー」。
 この書店は、平成30年6月30日をもって閉店。
 店の大きさは町の本屋さんという感じで親しみやすく、店員さんもシャツにエプロンといういわゆる本屋さんという記憶(あくまで私の記憶だが)。入り口付近には文房具などが売られており、雑誌、漫画、小説、新書など、万遍なく置かれた心地よい書店であった。
 ここでは元楽天の山﨑武司著『野村監督に教わったこと』や月刊ドラゴンズなど、青春時代に多くの野球関連の本を買った記憶がある。
 店舗跡地は現在、建物はそのままでHYPER FIT24というジムになっている。

ポピー駐車場にあった店舗の看板

 
 
 次に福井駅前にあった、「勝木書店 福井駅前本店」。
 この書店は令和2年8月をもって閉店。
 この書店は福井で歴史、規模ともNo.1の書店で、ここが閉店になると聞いたときは「まさか…」という気持ちだった。ビルの1~3階が売り場となっており、古くもここが福井の書店だ!と言わんばかりの威厳に満ちた書店。
 高校生のときは帰宅途中に寄り道し、賢い藤島や高志の高校生を横に、福井ではなかなか売っていなかった近代柔道を買いに行った。
 跡地は福井駅前三角地帯再開発に伴い、全建物が撤去。コートヤード・バイ・マリオット福井等の建物が新設されている。

駅前通りに面していた勝木書店本店

 

 最後に福井西武新館5階にあった「紀伊國屋書店 福井店」。
 この書店は福井西武本館に移転し、今でも営業しているが、正直昔の店舗がよかった。なんなら今の紀伊國屋は別の書店だとさえ思っている。ちなみに全国展開されている紀伊國屋書店だが、福井県にはこの1店舗しかない。
 この書店が福井西武新館にあったのは、令和3年2月いっぱい。
 この福井西武新館は紀伊國屋の他に、LOFTや無印良品、ヴィレッジヴァンガードなども入っており、夕方には高校生や大学生がいっぱいいた。また、紀伊國屋のあった5階は本館との連絡通路があり、それも田舎で育った私には新鮮であった。
 新館5階フロアのすべてが紀伊國屋であり、売り場面積は福井の中でもトップクラス。また、実用書が多く充実していたと記憶している。館内中央にあったエスカレーターを昇って5階に着くとまず目に入るのは新刊のコーナー。高校3年生であった私は、ここである本に一目惚れし、なけなしの所持金を叩いて即買いしてしまった。増田俊也著『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』、本体価格2,600円である。福井の田舎高校生であった私にとって2,600円はかなり高価であったが、迷わず買ってしまった。まあ、本の話はまたの機会に。
 その他に買った思い出のある本は、ドンキーコング64などの攻略本や星野仙一著『星野流』など。

エスカレーターを昇った先の新刊コーナー

 
 以上4店が現在なくなってしまった思い出の書店である。
 ただでさえ田舎である福井。なのに書店はネットショッピングや電子書籍化の影響を受け減っていく。このような書店離れが進んでいくことは仕方ないのだが、書店に寄り、気ままに本を眺め、思わぬ一目惚れに出会うことで人生にプラスになることもあるだろう。

 おまけ
 大学生のときよく行った、田村書店2店舗。阪急千里山駅近くにあった「田村書店 千里山店」と、関西大学の裏側、通称「カンウラ」にあった「田村書店 佐井寺店」。
 千里山店は大学生時代の平成26年3月に閉店した。大阪北部に多数ある田村書店の発祥であり、売り場スペースは古く狭い1~2階。主に文庫が多かったかな。

千里山店 1~2階が店舗

 佐井寺店は社会人になった後の平成29年4月に閉店したらしい。この店舗はまあまあ大きく一般的な町の本屋さん。漫画やスポーツ雑誌、一般書などを買いに行った記憶がある。

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