物理漬けな若者だったころの、指数関数についての所感

下記は、2010年の私のブログ(今は削除済み)からの転載。別件でログを漁っていて発掘したものです。当時は、4年間の物理学の勉強を終え、脳の研究をするために大学院に入ったばかりのころでした。物理学にどっぷり浸かった若者ならではの「世界の見方」がちょっと面白いと思ったので、noteに掲載。

今日、大井町線の中で思い付いたこと。
指数関数の神秘について。

e^(-at)

dx/dt=-ax

の解。

この方程式は、最も簡単な確率過程=コイントスを孕む。だからこそ普遍的な指数カーブ=exponential decay。

そこは全てが減衰(decay)する現実世界。エントロピー増大は、世界の原理である。

逆に確率を排した厳格な物理法則は、例外なく「ダンピング」項を含まないユニタリ発展の形をしている。つまり、状態空間内で体積を保存し(Louvilleの定理)、エントロピーは決して増えない。stochasticity に対するdeterministicな世界記述。

つまり、非ユニタリな項を持つダイナミクスは、必ずどこかにstochasticityを含んでいる。

オームの法則しかり。化学反応方程式しかり。

而して、指数カーブの遍在性。そして工学の分野におけるラプラス変換の有用性。

(それに対し、摩擦のないイデア的な世界を志向する物理屋たちはフーリエ変換を好む。)

減衰項を厳密な時間発展方程式の粗視化と見るか、確率こそ全ての出発点と見るか。それは鶏と卵のごとく、世界観の相違なのか。

高校二年生で習う二つの曲線――e^(-at)とsin(ωt)――の中に、すでにdeterminacyとstochasticityにまつわる宇宙の神秘が隠れていたとは。

数理的物理的世界記述の信奉者のみなさん、鳥肌が立ちませんか?(立たないか)

以下は、このブログ投稿に寄せられた、友人のものと思しきコメント。(誰だったんだろう?)

「全くもってたちません!! まぁ…実は、div-gradきたけど…(笑)」

それに対する私のリプライ:

「ラプラシアンってことか。天才!(笑 メモrot...」

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