[試合分析]キプロスvsクロアチア~問題だらけの守備の代案~[W杯欧州予選グループH第7節]

10月編に突入です。

スタメン

(1)キプロスの4つの問題点

キプロスの守備には4つの問題点がありました。

問題点1：簡単に運ばれすぎる問題

キプロスの守備は5-4-1のブロックを作り自陣に引いて守る形。この時、1トップのPソティリウに対してクロアチアは2CB+ブロゾビッチの3枚で数的優位を作り、Pソティリウの脇からドリブルで運んで敵陣へ侵入します。このドリブルに対しての対応で多く見られたのがボランチの内1枚が前に出てプレッシャーをかけるという形。しかし、前に出る時のスタート位置が低く、相手に対する距離も詰めきれていないのでほとんどプレッシャーになっておらず、逆に背後にできたスペースを使われる結果となっていました。

問題点2：ライン間が開きすぎる問題

2つ目の問題点はライン間を簡単に使われすぎたことです。キプロスは5-4-1の守備ブロックのディフェンスラインと中盤の間が開きすぎていました。そのライン間でクロアチアのIHや3トップにパスを通されて前向きでボールを持たれました。

問題点3：右CB前に出すぎる問題

キプロスの右CBはアンドレウ。この選手は積極的に前に出て相手にプレッシャーをかけます。しかし、相手を追いかけすぎるあまり前に出すぎて、逆にその背後のスペースをクロアチアに狙われていました。5バックなので前に出て潰しに行くのは悪くないプレーですが、中CBのCソティリウや右SBのプサルティスは明らかに背後のスペースをカバーできていなかったため、もう少し前に出るのを控えるように修正するべきだったかと思います。クロアチアの先制点やオフサイドで取り消された得点もこの背後のスペースから裏に抜け出してからのものでした。

問題点4：CB-SB間の距離が遠くなる問題

最後の問題点はCBとSBの距離が遠くなることがあることです。サイドでクロアチアがボールを持つと、当然SBが引き出されます。この時、引き出されたSBとCBの距離が遠くなってしまうことが多くあります。距離が遠くなった結果、ニアゾーンを簡単に使われたり、サイドで1対1になり突破された時のカバーが間に合わないなどの場面がありました。原因として単純にCBがPA内に引きこもってしまうこと、そして横へのスライドが遅いためマークを受け渡せずにカバーに出て行けないことがあげられます。

(2)問題点1に対する代案

本田さんが代案出せ言ってたのでここからは問題点1に対する代案を出します。問題点1は1トップの横から簡単に運ばれすぎて、さらにボランチが前に出て背後のスペースを使われることでした。

これに対する1つの代案は守備ブロックを5-3-2にすることです。まず、クロアチアの後ろ3枚に対しては 2トップでボールから近い2人を抑えます。この時、CBに対しては外切りでプレスをかけ、頭を越されたらWBが縦スライドで対応します。このWBの縦スライドは、9月の試合でサイドに追い出してからWBの縦スライドで潰す形をやっていたのでできないことはないと思います。

次に中盤はクロアチアのIHに対してキプロスのIHをそのまま当ててアンカーは一枚余らせます。選手の質を考えた場合、1対1で剥がされることも多いので余りは1枚必要だと思います。

そしてディフェンスラインではクロアチアの3トップを5バックで見る形。DFが5枚いるため、3トップが中盤に降りて行ってもついて行って対応でき、アンカーが一枚余っているのでそこでマークを受け渡しながらDFは前に出すぎないようにします。難しいプレーだけど。また、WBが縦スライドでSBに出て行っても3トップに対して4枚残るため数的優位を維持できます。

クロアチアとキプロスの選手の質の差を考えて数的同数での対応は厳しい。ならばボールから逆サイドのCBとSBは割り切って捨てて中盤、ディフェンスラインでは数的優位で対応できる形をとる。これでどうでしょうか？

注目選手：ネオフィトス・ミカエル

注目選手のことを考えて見るのを忘れてた💦なのでこの試合で最も目立っていた選手を紹介します。

今回取り上げる注目選手、と言うかMVPはキプロスのGKネオフィトス・ミカエルです。キプロスリーグのAPOELに所属しています。強豪チームなので今後CLで見ることがあるかもしれません。

この試合ではセーブ数8、モドリッチのPKを止めるなどビッグセーブ連発でなんとか3失点に抑えました。問題だらけのチームで孤軍奮闘でした。GKがこんなに頑張っているのだからフィールドプレーヤーはもっと頑張って欲しい。9月の欧州予選から4試合キプロスを見ていますが未だに1点も入っていません。

試合結果

FIFAワールドカップ欧州予選グループH第7節

キプロス 0ー3 クロアチア

【得点者】
クロアチア
　45+2'ペリシッチ
　80'グヴァルディオル
　90+2'リヴァヤ

最後までご覧いただきありがとうございました。欧州予選アーカイブ化計画10月編もよろしくお願いします🙇🏻