ハンガリー×スイス〜同じシステム異なる振る舞い〜[EURO2024グループA第1節)
あっという間に開幕したEURO2024。カタールW杯に引き続き、名だたるサッカーオタク及びサッカー変態の皆様が集まりアーカイブとして記録していくEURO2024アーカイブ化計画もスタートです。専用サイトはこちら↓
超莫大な情報量です。ホント凄い。
ガチャの結果、自分の担当国はグループAのスイス🇨🇭。対戦国はハンガリー🇭🇺、スコットランド🏴、ドイツ🇩🇪です。ではやっていきます!
メンバー
・ハンガリー🇭🇺
前回のEUROではなんか強かったイメージのあるハンガリー。その4年前からオルバンとグラーチのライプツィヒコンビは顕在。10番はリヴァプールのソボスライ。サライとアーダームが多い。
・スイス🇨🇭
こちらもシステムは3-4-2-1。キャプテンはレヴァークーゼン無敗優勝の立役者ジャカ。フロイラー、アエビシェール、エンドイェの3人はボローニャのチームメイト。11人中8人はセリエAかブンデスリーガでプレーする選手たち。
前半
ハンガリーはミドルサードで構えて被保持。5-2-3でミドルセット。CHと3トップがめっちゃコンパクトな五角形を作ってCHのジャカとフロイラーを囲んで中央封鎖。
両チームともシステムは3-4-3で上手く噛み合う配置。左右のCBにはシャドーが、WBにはそのままWBが縦スライドで出る。
中央を封鎖するハンガリーに対して横幅広くボールを動かしていくスイス。右サイドではヴィドマー、エンドイェに加えてCHのフロイラーが大外まで絡んで3枚で保持。
右サイドの三角形に対してジャカが内側レーンでサポート。センターレーンでは左WBのアエビシェールがポジション取り。フロイラーとジャカのCHがどちらも右サイドに参加することでハンガリーのCHの片方、もしくは両方がサイドの守備に呼び出される。これでCHが広げられたり、どかされたりして中央のアエビシェールが捕まらない。
スイスの先制点は11分。この右サイドの保持から。
右サイドでヴィドマーとエンドイェ、フロイラーが参加して三角形。内側レーンでジャカがサポートに入り、CHのシェーファーをサイドに呼ぶ。ジャカからアカンジに戻して、広げられたCH間でアエビシェールが前向き。背後に抜けたドゥアーが流し込んで先制。
左サイドの保持ではアエビシェールとヴァルガスに加えて左CBのリカルドロドリゲスが開いて三角形。WBのアエビシェールとシャドーのヴァルガスはレーンを交換する。
ジャカがアンカー気味かバックラインに降りてアカンジとビルド隊。CHのナジがジャカを監視することで空いた左ハーフスペースにアエビシェールが現れる。
マークの噛み合わせ的には右CBのラングがアエビシェールの担当。しかし、ドゥアーやエンドイェが頻繁に背後を狙う動きを入れることでアエビシェールまで出ていけず。また、そもそも距離が遠く捕まえることができない。
アエビシェールはジャカとフロイラーの立ち位置を見て中央まで顔を出してフリーで受けたり。ボールを受ける時の斜めの身体の向き、相手の矢印を見てのプレー選択など、WBなのに中央でのプレーがうまい。と思ったらボローニャではIHやCHで出てるらしい。
一方でハンガリーの保持はCHのシェーファーが降りて後方4枚。左右のCBのラングとアッティラサライがSB、ナジがアンカー役となる4-1で保持。
ここにソボスライがナジの脇に降りてきてサポート。GKのグラーチも配球に参加するので、合計7人とかなり人数をかけてビルドアップ。
スイスはジャカが出てきてアンカー監視、ソボスライにはフロイラーがついて行って対応。3トップが左寄りで右SB役のラングとオルバン、シェーファーに向かう。左SB役のアッティラサライにはWBのヴィドマーや右CBのシェアがジャンプ。
ファーストプレーではグラーチから左大外のアッティラサライまで送り、シェアを引き出す。その背中をケルケズが取りかけるが、パスがずれて繋がらず。それでも良い形で前進できそうな気配を見せる。
ただ、これ以降は先制したこともあってか、スイスはアッティラサライを放置する設定。他のビルド隊にはプレスに出るが、アッティラサライまでボールが渡ればミドルサードまで撤退する。
敵陣まで進んだハンガリーは、右シャドーのロランドサライも出張して左サイドにめちゃくちゃ人数をかける。出張頻度が高すぎてもはやほぼ左の人。ずっと左にいる。
ただ、人数をかけたところで崩すまでには至らない。ぐちゃぐちゃとなってフリーキックを貰うのが最高点。ソボスライ辺りが一発サイドチェンジが出れば良かったが、そのような展開もほとんどなし。
終了間際には、スイスが右サイド深い位置まで侵入。バイタルで平行で受けたアエビシェールがゴール右隅に流し込んで追加点。最高の形で前半を終える。
後半
スイスの2点リードで後半。ハンガリーはラングに代えてボラを投入し右WB、フィオラが右CBに。
後半の立ち上がりは左サイドから深い位置まで進むスイス。47:00、53:00と連続してジャカがポケットに侵入。DF1枚を引きつけて、ジャカの1つ奥のドゥアー、ヴァルガスがシュートを放つがグラーチが連続でセーブ。
図
ハンガリーとしてはロランドサライが出張していて右サイドの守備に参加できず。CHのナジや右CBのフィオラが引き出されたことでポケットをケアする選手がいなくなってしまった形。出張により作り出した歪みがマイナスのリターンとして返ってきた。
後半はプレスラインを高めて保持の時間を増やしていくハンガリー。変わらずソボスライとロランドサライが絡む左サイドから進む。
62:40には左ペナ角からロランドサライがクロスをあげて、リカルドロドリゲスの背中を取ったヴァルガが合わせるが僅かに枠の外。
65:00にはソボスライのクロスにボラが合わせてゴール。アエビシェールの背中を取り、視野の外から上手く前に入って頭でネットを揺らした。
スイスとしてはリカルドロドリゲスやアエビシェール周辺のクロス対応に弱さが見えた場面。両チームともに危うさが見えた後半の立ち上がりだった。
1点差としたハンガリーは79分にダルダイとマルティンアーダームを投入。3-5-2っぽい配置に変更。引退して5年後経った感じの風貌のマルティンアーダーム。
2トップとなったことで、左右のCBの配球を咎められなくなるハンガリー。82:20にはリカルドロドリゲスからのロングボールにエンドイェが抜け出して決定機。終盤に差し掛かりスイスが徐々にボール保持を回復させていく。
そしてアディショナルタイムにはロングボールの処理ミスを拾ったエンボロがループでGKの頭を超えて3点目。スイスが初戦を白星で飾った。
おわりに
EURO初戦。ドイツを追う2番手争いはスイスが一歩前に出た。やったぜ。
両チームともシステムは同じ3-4-2-1。ただ、振る舞いは全く異なるものでとても面白い試合でした。普段見ないチーム、見るつもりのなかったチームを詳しく見ることができるのが、この企画の楽しみ。参加する側も見る側も勉強になります。
次のスイスの相手はスコットランド。2連勝でグループ突破を決めましょう。
試合結果
EURO2024 グループA第1節
🇭🇺ハンガリー 1-3 スイス🇨🇭
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?