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クロアチアvsスロベニア~やっと機能したクロアチア~[W杯欧州予選グループH第6節]

ようやく第6節に突入です。

試合概要

メンバー

試合内容ふり返り
ここ2試合静かだったクロアチアの攻撃陣がついに爆発。前半に先制、後半に中押し、ダメ押しと効率よく得点を奪い3ー0の快勝でした。一方スロベニアは攻守ともに何もできず。オブラクが止めまくって何とか3失点に抑えたという内容でした。この勝利でクロアチアは首位で9月の予選を終えました。

(1)対策を上回る崩し

スロベニアは4節5節では4-2-3-1のシステムでしたが、この試合では4-3-3を採用。クロアチアの2ボランチ+トップ下に対して2IH+アンカーで上手く噛み合うシステムにしてきました。しかし、この対策をクロアチアは完全に上回り攻撃を機能させました。

クロアチアはビルドアップ時にボランチのブロゾビッチとコバチッチがディフェンスラインまで降りていきます。そうすることでスロベニアの4-1-4-1の守備ブロックからIHを引き出してスペースを作り出しました。ブロゾビッチとコバチッチのどちらがディフェンスラインまで降りるかは決まっておらず流れの中でどちらかが、または両方が降りていくことでスロベニアとしては対応が難しくなり、より守備ブロックのバランスが崩れやすくなっていたように思います。

守備ブロックのバランスを崩した後クロアチアが狙ったのはスロベニアのアンカー脇のスペースです。ブロゾビッチとコバチッチの動きでIHを引き出すことでアンカー脇にはよりスペースができます。ここにトップ下のパシャリッチやCFのリヴァヤ、時には両SHなど色々な選手が入れ替わりポジションを取り縦パスを受けました。ここでもこのスペースを誰が取るかが決まっていなかったためスロベニアとしてはマークにつききれず対応が難しくなっていたと思います。

アンカー脇のスペースでボールを受けたら次に狙うのはサイドです。中央でボールを受けて相手の意識を中央に引きつけてからサイドに展開しゴール前にクロスという攻撃がクロアチアの狙いにありました。クロスに対してはCF、トップ下、逆サイドのSHの少なくとも3枚がPA内に入ることで攻撃に厚みをもたらしました。この試合のクロアチアのクロスの本数は31本もあり、3点全てがクロスから生まれています。

この中→外→中という攻撃をクロアチアは徹底していました。

(2)策士策に溺れたスロベニア

一方これまでとシステムを変えてクロアチアの中盤3枚に合わせてきたスロベニアでしたが攻守ともに何もできなかったと言っていいと思います。自ら相手に噛み合うシステムを組んだにも関わらずスロベニアはアンカーがディフェンスラインまで降りるなどの中盤でズレを作る形を用意していませんでした。中盤で起点を作れなかった結果イリチッチが低い位置まで下がってきてしまうなど、チームとして上手く機能していませんでした。これまで良かった右サイドのイリチッチ、ロフリッチ、ストヤノビッチの三角形を崩したことも大きかったかなと。自分たちで用意した策に苦しめられる形となりました。

注目選手:マリオ・パシャリッチ

今回取り上げる注目選手はクロアチアのMFマリオ・パシャリッチです。中盤の選手でありながら身長188cmの長身がまず注目ポイントです。この試合ではチーム2点目のゴール、また1点目もほぼパシャリッチのゴールと言ってもいい活躍でした。ユーロでもスペイン戦で劇的同点弾を決めていましたね。クロアチアのクロス中心の戦い方はパシャリッチがいるからこそ成り立つものと言えます。モドリッチ、コバチッチ、ブロゾビッチと中盤にスター選手が多いクロアチアの中でも他と違った良さを持つ貴重な選手と言えます。

試合結果

2021.9.8
FIFAワールドカップ欧州予選グループH第6節

クロアチア 3ー0 スロベニア

【得点者】
クロアチア
 33'リヴァヤ
 66'パシャリッチ
 90+4'ブラシッチ

最後までご覧いただきありがとうございました。あと2試合!ラストスパート!

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