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[試合分析]アヤックスvsドルトムント~敵を制圧せよ~[CLグループステージ第3節]

ロマンを感じるカード

試合概要

メンバー

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アヤックス 4ー0 ドルトムント

【得点者】
アヤックス
 11'オウンゴール(1ー0)
 25'ブリント(2ー0)
 57'アントニー(3ー0)
 72'アレ(4ー0)

(1)操られたCB

大量4得点。その他の多くの決定機。ドルトムントを圧倒したアヤックスの攻撃の鍵は3人目の動きです。

アヤックスの攻撃はまず、ドルトムントの2CBの前に1人ずつ立ちます。この役割はCFのアレとWGのタディッチやトップ下のベルハイスが基本的に担当します。ドルトムントのCBは視線や動きが前に立ったアヤックスの選手に引き付けられて、横や背後にスペースができます。そこに3人目の選手としてベルハイスやグラフェンベルフが中盤から飛び出してきます。この3人目の動きをドルトムントは捕まえることができませんでした。中盤が付いていくわけでもなく、SBが絞って対応するわけでもなく。

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このアヤックスの狙いが早速見えたのが8分10秒のアントニーの決定機の場面です。アレ(22)とグラフェンベルフ(8)で2CBをサイドに引き付けます。そして中央にできたスペースにベルハイス(23)が飛び出し、そこにブリント(17)→グラフェンベルフ→アレと繋ぎボールを届けます。逆サイドのSBが絞って対応しに来たため、WGのアントニー(11)がフリーとなり決定機。惜しくもフンメルスにブロックされましたが、狙い通りの攻撃だったと思います。

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このようにアヤックスはドルトムントのCBを操ることで終始圧倒した攻撃を見せてくれました。

(2)ハーランド封じ

アヤックスは攻撃だけでなく守備でもドルトムントを上回り、怪物ハーランドも封じ込めて見せました。アヤックスはハーランドに対してCB2枚で対応し、なるべく1対1にならないように守ります。1対1でハーランドを抑えることは非常に難しいため2枚でチャレンジ&カバーの関係を作り対応しました。

逆に決定機となったのはその形が崩れた時でした。後半立ち上がりの46分50秒の場面。Lマルティネス(21)が一瞬だけロイス(11)の方に出たためハーランドに対する2対1の関係が崩れ、あわや失点といった場面でした。

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ドルトムントとしてはこの形を意図的に作り出せませんでした。自陣に押し込まれて全体が下がってしまうことが多く、ハーランドの近くに人がいないことが多々ありました。まあ絶好調のハーランドなら2対1とか関係なく、1人で暴れまわるんでしょうけどね。

(3)SBへの対応

ドルトムントの問題点の1つはアヤックスのSBへの対応でした。ここにはIHがスライドして対応しに行くのが基本の形となっていました。しかし、プレッシャーが遅れる、または行けないこともあり、アヤックスのビルドアップの出口をなっていました。中盤が両チームとも3枚だったため、サイドに引き出されると中央でフリーができる可能性があることが対応が遅れた原因の1つだと思います。

(4)ドルトムントの修正案

攻守においてアヤックスに圧倒されたドルトムント。ここからは(1)~(3)までの現象を理論上すべて解決できるドルトムントの修正案を書いていきます。

システムは3-5-2。自分は普段ブンデスリーガを見ていない(見れない)ためこの試合のメンバーから考えると

といった感じでしょうか。

まずアヤックスの3人目の動きへの対応。これはCBを2枚から3枚に増やしているので、2枚がロックされても3枚目で対応できるようになります。

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次にアヤックスのハーランドへの2対1での守備。2トップにすることで、ロイスとハーランドで2CBと2対2の状況になります。これで2対1の守備が崩れ、(2)で紹介した46分50秒のような場面を意図的に作りやすくなります。

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最後にアヤックスのビルドアップ時のSBへの対応の問題。ここは2トップの外切りのプレスでSBへ出させないことを優先。頭を越されてたら、WBが縦スライドで対応します。そうすることで中盤は引き出されなくなり、3対3の数的同数を維持できるようになります。

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普段ドルトムントの試合を見ていないので、この形を本当に使えるかは正直分かりません。今季のリーグ戦のスタメンを見返してみて6節のグラードバッハ戦で3-5-2を使っていたので修正案として書きました。(その試合負けてるけど)11月4日の第2戦でドルトムントがどのようにアヤックスの攻撃に対応するかを楽しみにしたいと思います。もし3-5-2を採用して勝ったらドヤらせてください。ドルトムントなら相手に合わせずに攻撃的に行ってほしい気もしますけどね。


最後までご覧いただきありがとうございました。CLは見たい試合が多すぎて投稿が遅くなります。

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