2022/05/03

新宿で男と会った。白状するが、性癖をバラした上で会ったので、要はシンプルに性交渉目的だった。相手は正直タイプではなく、これ以上時間を割いてもらっても申し訳ないと感じたので、一緒にランチを食べた後に急な用事が入ったと嘘をつき、歌舞伎町の交差点前で人混みに紛れて退散した。過去、何度かこういう感じのムーブをやらかしている。いずれ天罰が下ると思うが、宇宙が爆発すれば人間の築き上げてきた文明なんて一瞬で吹き飛ぶわけなので、お互い気がない状態でズルズルと時間を浪費するよりはまだ態度として倫理的にマシだろうと考えている。最低ムカデ人間で申し訳ない。来世は真人間として生を享けたいと思う。たぶん、あと数日したら、私はまた別の男と性懲りもなく新宿で会っていることだろう。精神的に向上心のないものはバカだ。バカはバカなりに真面目にバカをやっていくしかない。

そういえば、木澤佐登志氏の『ニック・ランドと新反動主義』を読んだ。会議中、管理職が「加速度合いが足りない、もっと加速しろ」と狂ったように発言していた影響で、気付けば「加速」というワードに洗脳されてしまっていたせいか、気付くと勝手にAmazonで同書を購入している自分がいた。

私自身の関心が近代ヒューマニズム批判やリバタリアニズム、アナキズム周辺に転がっている関係で響くテーマも多かったせいか、めちゃくちゃ面白かった。特に、ヴェイパーウェイヴと加速主義の関係がどのような文脈で取り上げられているのかがイマイチ分かっていなかったのだが、同書を読み、ヴェイパーウェイヴが資本主義に対して占めている曖昧かつアンビバレントな位置付けの特異性を理解することが出来た。

ぼくらの属する世代(ミレニアム世代)に関しては、「未来」というものを想像した場合に、肌感覚的に悲観的なイメージを抱く傾向が強いのではないかと思う。親世代同様の社会福祉にありつける可能性なんて到底見込めないし、景気もますます悪化していくであろうし、もっといえばコロナウイルスの蔓延に伴い、既存のグローバリズムの限界が表面化した世界を今後も生き続けなければならないという点を踏まえると、少なくとも私には不安感しかない。きっと、未来はますます悪くなっていくと思う。

ヴェイパーウェイヴに限らず、あらゆる方面でレトロモダンのリバイバルブームやブランド化が進展しているように見えるが、こうした動きがぼくらの「未来の欠落」を暗に仄めかしていると思うと、巷で流行りの懐古ブームと顔を合わせた場合、ブームに乗る/乗らない、もしくはそれ以外の選択肢もひっくるめて、ここで取るべき態度を再考する必要性を強く感じた次第である。ニック・ランド関係の書籍も追加で何冊か購入したので、ぼちぼち読んで、色々と考えていきたいと思う。おわり。

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