2022/01/23

今日は一日中ホームセンターを徘徊していた。ホームセンターといっても、そこら辺によくあるホームセンターではなく、巨大ショッピングセンターの一種と称しても過言ではないぐらいの広さと品揃えの豊富さがあった。アダルトグッズを除き、とにかく何でも置いてあった。大量のゾンビに襲われようが、地球外生命体に拉致されそうになろうが、ここなら絶対に生き残れそうだと感じたが、閉鎖的空間に身を置く限り、ぼくらは結局怪物に喰われてしまう宿命なのだろうか。新型コロナウイルスと労働のお陰で、様々な感覚が麻痺してしまい、既に私は半分ゾンビと化してしまっているような気がする。敵に喰われる事から逃避するために死んだフリをするカマキリは、気付けば勝手に生死の境を飛び越えてしまっているのだ。ああ、主体性って何だろう。

そのホームセンターで、遂にビカクシダを購入した。ビカクシダに関しては関心自体はあったものの、栽培が難しそうなイメージがあって手を出すのを控えていた。だが、現物を目にしたら流石に我慢出来なかった。私には壁にウシかシカの頭蓋骨が飾られた薄暗い部屋に隠居する願望が前々からあるのだが、ひょっとしたらウシかシカの頭蓋骨よりもビカクシダが壁に掛かっている方が不気味で美しいのではないかという気がしてきてしまい、思わず購入してしまった。

巷の園芸店やインターネットのオークション等でもある程度株は出回っているが、手に入りやすい価格帯の株には中々巡り合えないし、今日はかなりツイていたと思う。ビカクシダの中でも栽培難易度が低い品種を選んでみたが、水やりの感覚を掴むまでには相応に時間がかかりそうだ。根腐れを引き起こしてしまう事が一番怖いので、暖かい季節が来たら苔玉か板付けに仕立て直そうと思う。元々樹木に着生して育つ生物だから、鉢植えよりもそうした方が植物の身体には優しいのではないかという気がしている。試行錯誤しながら徐々に彼らと仲良くなっていきたい。

私の部屋では既に結構な数の植物を育てており、チランジアに関しては一学級は組めそうなぐらいの数を所有しているので、流石にそろそろ購入を控えないと置き場に困ってしまう状況であるが、吊るせばいくらでも置き場を増やせる事に最近気付いてしまった。本当に救いが無い。これ以上増やしてどうするんだろう。食べられないのに。

今日は父親の誕生日だったので、帰宅してから父親にポータブルスピーカーをプレゼントした。程々に値が張ったが、中途半端なものをプレゼントしても微妙なので、色々な製品を比較した結果、日頃の感謝も込めて購入してみた。喜んでくれれば有難いと思う。

自分で言うのも変だが、私と父親は結構似ている。顔以上に特に金銭感覚や食の好みや思考回路にきわめて似通ったものを感じるので、私はきっと自分の母親のような男に惚れるのだろうという予感がして猛烈に辟易してしまう。よくもここまでじゃじゃ馬タイプの女に長年付き合っていられるものだと思うが、結局の所、総合的にバランスが取れているからこそ離婚に至らずここまで平穏な関係性を維持出来ているのかもしれない。最終的には天秤さえ釣り合えばよいのだ。過程がどうであれ、二人の関係性における部外者にはその関係性の内の表層しか視界に入らないわけだから。

人間同士の関係性にしろ、植物のリズムにしろ、結局の所、私は表層だけしか追いかけられていないような気がする。奥底に蠢いているものは一体何なのだろうか。井戸の奥に沈んでいるであろう石を拾おうと手を伸ばしてみているけれど、体温を奪う水の冷たさ以外、私にはやっぱり感じられないのだ。もっと直接的なものを感じたい。おわり。

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