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#77 本当に辛かったこと(前編)

1年前、名古屋市がやっているスタートアップ講座に申し込んで、毎週講座を受けていた。アンリアルエンジンというゲームを作るソフトとVRゴーグルを使って、新しいサービスが提供出来ると思って起業を目指していた。

ゲーム開発経験ゼロ、プログラミング経験ゼロで、どう考えても自分一人では無茶だった。でも、今の会社にいても先が無いと思い、少しでも突破口が見つかればともがいていた。

毎週行われる講義とグループディスカッションの中で、他の人が眩しく見えた。すでに投資を受けている人だったり、収益を上げている人だったりして、アイデアレベルの自分が惨めに思えてきた。

試作品を作って、プレゼンして、注目を浴びる予定だったが、技術的なハードルの高さに手が動かなくなった。手が動かなくなると、心のモヤモヤが増えていった。

毎週進捗だったり方針をアップデートして報告するのだが、少しづつ現実と理想が乖離していくことに心が疲弊し始めた。たかがこんなことでと思いながらも、自分で決めたことを進められない経験は人生であまり経験がなく、今思えばうつ病一歩の状態だった。

 何故か分からないが本能的に毎日歩くようになった。最初は2キロくらいだったが、だんだんと距離が伸びて、5キロ一時間を土日に歩いた。今思えば進まない現実に体だけでも動かしたかったんだと思う。

11月に最終講義が終わった。最後のプレゼン前はほぼ眠れなかった。内容と現実は全く噛み合わず空回りしているのが自分でも分かった。自分の番が終わりただ時間が過ぎるのを待ち、打ち上げには行かずそそくさと帰路についた。

後編へ続く…


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