#59 会社にとって正しい判断とは〇〇の利益を確保する事

会社は株主、経営者、従業員で構成されている。

会社の所有者は株主である。株主が会社を所有する目的は様々だが赤字だと存続し続けるメリットがないため、経営者としては利益を確保する事が目的になる。そしてその目的を達成するために雇用条件を提示して、その条件で雇用してモノやサービスを生産する事で社会にモノやサービスを提供する事で利益を確保する。

会社にとって正しい判断は利益を確保する事だが、その利益の源泉である売上は誰から生まれるのか?それは最終的にサービスやモノを消費する消費者であるため、どんな業態でも最終的にお客様の利益(嬉しさ、不満解決、時間短縮など)を確保しないとすべてが机上の空論となってしまう。

 自動車会社は複雑なサプライチェーンで成り立っている。ケイレツといわれるグループで株を持ち合っている構造のため、ケイレツといわれる関連会社の部品を使う事が自社の利益にもつながる。その部品を使う事が利益や雇用の観点からは会社としては正しくなる。

その部品が競争力のある性能やコストであれば、その部品を使う事が会社としてもメリットになるが、そうではない場合、会社単独の利益では他社を使った方がメリットが生じる。その場合でもケイレツの収益性や雇用を確保するために安くはなく、性能もそこそこな部品を使ってしまっているのが現状の自動車会社の構図だと思う。

現在、国内では販売チャンネルを自動車メーカーが独占で抑えているが、中国資本の安い自動車メーカーが参入し始めている。ケイレツの高くて性能がそこそこの製品を使った車を提供している日本車が生き残る道は非常に厳しいと思う。PCのASSYメーカー、スマホ、家電、など様々な製品が中国の安い製品か、アメリカの最先端のものに取って代わられた様に、自動車も同じ運命をたどるのは避けられないと感じる。

安い、安心、高品質という世界の工業製品の共通問題を解決する手段はこの30年で完全に中国に追いつかれ追い越されようとしている。ITを使ったモノからコトへのシフトも海外勢に負けている。ココロを満足させるサービスやプロダクトを作らないと、あと10年もたてば観光立国スペインの様になってしまうと思う。

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