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資本主義社会のマリア



私は買い物が大好きで、資本主義社会の犬を自称している。自身を肯定する信仰の対象として、資本主義社会を象徴するAmazonなどネット通販のダンボール箱を使ってマリア像を制作した。

世の中ではサスティナブル、SDGsなどの言葉が飛び交ってはいるものの、資本主義の存続を前提とした免罪符として使われているに過ぎない。私たちは罪の意識を感じながらも、生まれ育った文化を否定し捨て去ることはできない。
様々な民族が長い年月をかけてそれぞれの風土や文化に合わせた信仰や風習、素朴な民芸品を作り上げていったように、現代社会に生きる私たちも知らず知らずのうちに資本主義社会を信仰する一民族として、その文化を作り上げてきたのだ。

この作品を制作している間に、皮肉にもCOVID-19により社会情勢はどんどん変わっていった。ネット通販による流通は世界中の人々の生活をささえる頼もしい社会基盤として認識され、マリアの存在意義も自嘲的な意味はどんどん薄れ、本当にインフラの女神へと変化していったのを感じた。


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