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センスの光る『今週の予定表』

先日、写真撮影をした場所で、面白いものを見つけた。

その場所は元々小学校で、とっくの昔に廃校となっていたのだが、数年前にカフェ併設のコワーキングスペースとして生まれ変わった。
そのため、施設内には学校の名残があり、今回見つけた面白いものも学校に因んでいる。

前置きはこれくらいにしよう。
見つけた面白いものとは、今週の予定表である。運動会とか身体測定とか、その週の予定を書き込むあれだ。教室の前後にある扉の間、その壁に堂々と存在する黒板に、なんともハイセンスな落書きがあった。

百聞は一見に如かず。ご覧あれ。

書いた張本人にインタビューして記事にしたい。
  1. ネズミにぬすまれないマウスの作り方

  2. 朝のいたずらがっせん会!

  3. 人のおろかさについて

  4. 人類氷でめつぼうさせてみた

  5. 日本の面白い人5選!

  6. 金太郎、熊を食う。

  7. 王になるために

すごくない? ところどころ文字が開いている(ひらがなになっている)点や筆跡でなんとなく想像するに、書いたのは10代と思われる。
正体がなんであれ、相当の手練れであることには間違いない。

せっかくなので、一つひとつ考察していこうと思う。


1.ネズミにぬすまれないマウスの作り方

いきなりワードセンスが光る。

マウスとはパソコンのカーソルを動かすデバイスのことなのだろうが、本来ネズミに似ていることから名付けられたマウスをうまく利用している。
あと、なんかホグワーツの指定教科書にありそう。

未だかつてネズミにマウスを盗まれたことはないが、ぜひ作り方を伝授していただきたいものである。


2.朝のいたずらがっせん会!

ハロウィーンっぽくて好き。

「がっせん」なのだから、チーム対抗なのかな? わざわざ朝にぶつけてくるところに遊び心を感じる。「!」がついているあたり、主催者のやる気がひしひしと伝わってくる。

双子のウィーズリーが好きそう。


3.人のおろかさについて

急に空気が重たくなった。

たぶん「おろか」の漢字が書けなかったのだと思うけれど、ひらがな表記になっていることで却って皮肉っぽさがにじみ出ている気がする。

しかし、火曜日にやるには少々暗いトピックではないだろうか。これが「なぜ人は夜中にポテトチップスを食べるのか」とかならまだしも。


4.人類氷でめつぼうさせてみた

今度はサイコパスみがすごい。

「やってみた」シリーズ史上、最凶最悪の実験だ。どうせやるなら日曜日にしてほしい。木、金、土とまだ予定がある上、日本で最も嫌厭けんえんされている曜日は月曜日だと相場が決まっている。日曜日の終わり、「サザエさーんは愉快だっなー!」のタイミングでやってくれれば、せめてもの救いだろう。

そして「氷」というところが、なんとも北海道っぽい。


5.日本の面白い人5選!

SEO記事みたいなのキタ。

しかし、これまた結論に困難を極める議題である。「面白い」にもいろいろあるし、故人や架空の人物も含めると候補者は無数だ。平日のたった数時間で、これだけ高カロリーな議論を消化できるはずもない。これを義務教育の一環に組み込むのはかなり無理がある。

よって、大学以上の研究機関で採用することをおすすめする。


6.金太郎、熊を食う。

書いたのは有川浩のファンかな? それともニノ担かな?

文面は面白いのだが、よくよく考えてみると非常に恐ろしいことを書いている。乗馬の稽古相手として長年仕えてきた熊を、あろうことか食べてしまうとは。金太郎は純粋な男だと思っていたが、その両手は熊の血で染められたということか。見損なったよ。

ところで、金太郎が熊を食べている間、生徒たちはなにするの?


7.王になるために

最後は帝王学だろうか。

幅広い教養やリーダーシップ、人心掌握術などを身につけるのは結構なことだが、なにも土曜日にやらなくても。休も?
あるいは、それほど権力に飢えているとでもいうのだろうか。王になりさえすれば、今の劣悪な生活環境から逃げ出せるし、一生なに不自由なく暮らしていける。そう思ったのかもしれない。

ただ残念なことに、日本は王国じゃない。建国するか、王国へ移住するかしなければならないことを伝えておこう(以前王国について調べたことがここで活用されるとは思いもしなかった)。



これほどの言葉遊び力、ぜひ見習いたいものである。


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