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最新技術・トレンドを網羅的に把握する - 2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ

年末年始のヨーロッパ旅行最終日、パリの夜景を見ながらホステルの屋上でボーッとしていた。そんな時ふっと、社会人になり新しいことを学ぶ意欲がなくなってきている、と虚しくなった。
それから読書を少しずつ再開したが、学んでいる気がしなかった。何故なら、「起業」という本で学ぶよりも実体験を通じて学ぶ分野についてばかり、インプットしていたからだ。
そんな時に何か自分の興味が湧くジャンルを探そうと『2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ』(ピーター・ディアマンディス、スティーブン・コトラー)を手に取った。

感想

ページ数の多い本ではあるが、山本さん・土方さんの翻訳スキルが高く、非常に読みやすい本だった。自分のようにこれから学びたいジャンルを探している人にとっては、面白い本だと思う。

本書では「エクスポテンシャル」という概念が前提になっている。
エクスポテンシャルとは、下記の画像のような曲線を描くことであるが、本書では「エクスポテンシャル・テクノロジー」という概念について論及しており、どのテクノロジーも下記のプロセスで発展するというのだ。

デジタル化 → 潜行(成長が思うように進まないフェーズ) → 破壊(世間に影響を与えはじめるフェーズ) → 非収益化 → 非物質化 → 大衆化

詳細は本書等で確認してほしい


Sports for Socialメディアより抜粋

本書で紹介されるテクノロジーは大半が潜行フェーズにあるもので、今後10年で破壊・非収益化フェーズに移行すると、どのように世界が変わるのかを提唱している。

網羅的に全ジャンルにいえることは、潜行フェースから破壊フェーズに移行するフェーズにおいて、財力をもった企業の協力が必要不可欠であるということだ。つまり、FAATMANの動向に日々注意深くアンテナを張ることが、これからの未来を予想する上で重要であるということが、本書の感想である。

気になったトピック

様々な業界・テクノロジーの軸で、今後の未来について言及されているが、特に興味を持った分野をリストする。

ブロックチェーン

ブロックチェーンという言葉を理解していても、意味や概要を理解していなかった為、本書を通じて非常にわかりやすく概要を理解できた。

物理的世界では、本物と完全に同じモノは1つも存在しない。一方でデジタル世界では、本物を複製し何個も本物を生み出すことが可能であり、メリットである。
この前提を「分散型」「可変性のある」「許容度の高い」「透明性の高い」の観点から覆したのがブロックチェーン技術である。
ブロックチェーン技術では、本物が誰の手ものであるのかをデジタル台帳を通じて把握することができ、誰もがデジタル台帳へアクセスできるというものである。
この技術により、仲介業という役割の必要性が減少し、今後はPeer to Peerの取引が信頼性高く、簡単に行われるようになる。

BCI (Brain Computing Interface)

BCI技術が発展すれば、コミュニケーションミスがなくなるどころか、アウトプットスキルに劣るが想像豊かな人間(自分のことを指しているつもりだが…)が、この世の中をより豊かで楽しくすることが出来るのではないかとワクワクしてしまった。

脳波図(EGG)センサーを使って頭皮から脳波を読み取ることで、手を使わずに脳だけで制御するインターフェス(2つの異なる機器やシステム、ソフトウェア間をつなぐ規格・機能)が実現する。2017年にワシントン大学のリサーチグループが「ブレインネット」と呼ばれるインターフェス(脳波図(EGG)を使って脳のシグナルを「読み」、経頭蓋磁気刺激(TMS)を使って脳にシグナルを「送る」技術を採用)で脳のみを使ってテトリスゲームをすることに成功している。

個別化ゲノム(遺伝子)

私が痛風や生活習慣病で、現在多くのストレスを抱えている為、自身のゲノム配列を理解し、自分に最適な習慣を理解することができれば、無駄や害のない生活を送ることができ、ストレスの少ないより豊かな日常を手に入れることが出来るのではないかと感じた。ゲノム配列の理解は、既に破壊フェーズにきており、非収益化フェーズへ移行することを願いばかりだ。

人体は30〜40兆個の細胞で構成されており、個々の細胞は、母親の32億文字の遺伝子情報と父親の32億文字の遺伝子情報で構成されている。人間の疾患の約65%は遺伝子1文字が原因で発生しており、ゲノムの理解やDNA文字列を1文字単位で書き換える技術(CRISPR2.0)は、より健康的なライフへと繋がる。

Next Action

本書を通じて、今後理解を深めたい分野を把握できたわけではない。だが、自分の仕組みを理解できる技術が発達してきていることを知り、自分自身への理解を深めたいと強く感じた。
今後はビジネス書だけでなく、脳科学や心理学に関する書籍にも触れ、自身の行動や思考について理解を深めていきたいと思う。


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