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なぜ「褒めて育てる」で自己否定が強くなるのか~自己愛肥大の視点から~

【Xポストここから】


親子関係で苦しんでた人は「他人は基本的に私を否定してくる」と思い込むようになる。

「近寄りたいけど近づきすぎたくない」「仲良くなりたいけど本当の自分を知られたくない」という【両価感情】に悩まされ対人関係で積極的になれない。

相手を遠ざける一方で極端に依存的になることも多い。

大切なのは、幼少期や思春期からずっと苦しんできた自分を振り返り、向き合ってみることです。

自分の中にある「相手は私を否定してくる」という思い込みに気づけたときに初めて、 冷静になって客観的に「いや、そうとは限らないかもしれない」ということに意識が向くようになります。

まず最初に行いたいことは、自分自身の回避的な思考習慣に「気づく」ということなのです。


【Xポストここまで】



こちら全く伸びなかった昨日のポストなのですが、「Xで不人気な内容はnoteだと需要ある法則」があるような気がしていますので、こちらで取り上げてみたいと思います。

最近のXの傾向として、刺激強めな動画とか、ビシッと短文名言系がバズるようでして、長ったらしい文章であっちいったりこっちいったり中々結論が見えてこず何言ってるかよく分からない某文筆家の表現はあまり相性が良くないのかもしれません。。。

が、上記ポストのようにちょっと短文では表しようのない内容を取り扱っているのが某文筆家でございますので、これからもスタイルをあまり変えることなく頑張っていこうと思う次第です。というか、変えようがない。


「親が否定的だった場合は自己否定も強くなる」というのはもう散々書いている内容ではありますので、
今日は逆に、「親が過剰に褒めてくるタイプだった場合にも自己否定は強くなる」という内容を書いてみたいと思います。

RKメンバーからの意見やTwitterのコメントなどを見ていると、「毒親育ちで人格が曲がってしまいました」「親が否定してくるタイプだったのでいつも自己否定するようになってしまいました」というものが多数を占めるのですが、
中には「うちの親はいわゆる毒親ではないのに生きにくいです」「お父さんもお母さんも優しかったのに依存をこじらせています」「いつも褒めてくれる親だったのに自己肯定感が低いのはどうしてでしょうか?」という意見をもらうこともあります。


「親がかなり褒めてくれるタイプだった」という場合にも自己否定は強くなるのですが、その理由として、その親からの愛情が「無条件の愛(unconditional love)」ではなかったからだという場合があります。

また、それはいつもお話している自立系女子の生きにくさなどにも繋がってきます。

詳しく説明していきましょう。



「褒めて育てる」が条件付きの愛だということになってしまうのはどういうことかと言うと、それは子どもの視点から裏返せば、「正解の行動をしなければ、褒賞を与えてもらえない」ということになるからです。

「叱られて育てられた」「否定されて育てられた」という場合、子は親の地雷を踏まないよう、何とかして正解の行動を模索しようとしますが(=ありのままの自分を愛せなくなる)、「褒められて育てられた」という場合にもそれと同様のメカニズムが働いてくるということなんですね。

つまり、いずれの場合においても、特定の条件下(=正解の行動をしたとき)にのみ、褒められたり、否定されなかったりしたわけで、「ありのままの自分ではダメ」という自己否定の心理はいずれも大きくなるんです。


例えば、「小学校のテストで90点以上取ることができればそのたびにとてつもなく褒められて、特別扱いされて、ご褒美もたくさん買ってもらえた」という状況を考えてみましょう。

そんな場合、子は、ニンジンを目の前にぶら下げられた馬のように必死になって90点以上を獲得しようとするはずです。なぜなら特に幼少期の子にとっては親の愛情を得るor得られないというのは死活問題であって、誰よりも親からの承認を得ようとするからですね。

そのように必死になって勉強し、90点以上を取ることができれば「さすがうちの子ね」「私たちはあなたが誇らしいわ」「あなたは誰よりも素晴らしいわ」という賞賛を得ることができる一方で、90点に達することができなければ、否定されたり冷たい言葉を投げられることはないにせよ、逆に褒賞を与えられることもないわけです。

そうなれば子は、否定されたのと同様の苦痛を負いますし、傷を抱えます。子にとって、「得られるはずだった承認」が無いのは、人格否定されているのと同様だと言っても言い過ぎではありません。



これがいわゆる賞罰教育の功罪ということでして、「賞」にせよ「罰」にせよ、確かに適度に行うことは大切かもしれませんが、それが極端な感じになってくると子どもにとっての毒となります。「褒める」すらも毒になるというのは意外かもしれませんが、大切です。

親に過剰に褒められて育った子はエゴが肥大化し、将来的に自分を過剰に特別視するようになり、他者やパートナーを軽んじる「自己愛性人格(narcissist)」となる場合もあります。

自己愛性パーソナリティ障害(NPD)の人は、優越感や自尊感情が強く、パートナーや近しい人を言葉や行動によって支配しようとすると言われていて、表面的には非常に自己肯定感が高そうですが、実質はとても重い自己否定を抱えているものです。

それはどのような自己否定かというと、


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