【サロンコラム】「認知の歪みがある自分」にダメ出ししてしまいます
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【ご相談ここから】
送信者:めいさん
先日の「執着と認知の歪み」の記事大変参考になりました。
でも自分が執着状態とかメンヘラみたいになってる時って「これは認知の歪みなんだ」と思おうとしても難しいことがあります。
「認知が歪んでるってことはやっぱり自分はダメ人間なんだ」と思い詰めてしまいます。
何かいい方法はあるでしょうか?
【ご相談ここまで】
めいさん、ご相談ありがとうございます!
めいさんが言ってくれている記事はこちらになります。
1400万インプ記念ということで「メンタル乱れる原因のほとんどは執着である」ということについて色々な角度から書こうという試みなのですが、記事の中では「認知の歪み」という概念について触れながら執着との関係を考察していきました。
その上でめいさんは、
ーーでも自分が執着状態とかメンヘラみたいになってる時って「これは認知の歪みなんだ」と思おうとしても難しいことがあります。ーー
このような難しさを感じているということですね。すごく良い質問だと思います。ありがとうございます。
確かに、認知の歪みが生じている時に「これは認知の歪みだ」と客観視することはけっこう難しいです。
執着をはじめとしてネガティブ感情というのは「認知の歪み」があるからこそおこるわけなのですが、めいさんの言葉を借りれば「メンヘラ状態」にある時にそういう風に冷静な視点を持つのはよほど自分の心に熟達していないと難しいですよね。
認知の歪みはおろか、例えば怒ってる時に「私は怒ってる」と自分をモニタリングするのも難しいことですし、あるいは悲しい時に「今私は悲しんでる」とマインドフルな精神状態に持っていくのもなかなかハードルが高いことですし、もしくはイライラしている時に「私はイライラしている」と客観的に自分を見るのも時と場合により困難です。
いわんや、「認知の歪み」を認知することをや…ですね。
いくつかの観点から問題解決に繋げられると思ってまして、第一に「日々のマインドフルネス・トレーニング」が重要なのは言うまでもありません。
つまりいつもいつも自分の心や自分軸に目を向けてあげて、「私はどうしたいの?」「私は今どういう気持ちなの?」「私はどんな感情を感じているの?」「私は今なにを感じてるの?」と常に自分自分自分…と目を向けてあげる習慣ですね。
めいさんが言うようにメンヘラ的に心が荒れているときには、自分を客観的に観察するのは普段にも増して困難になります。よって、人によっては日ごろから内観のトレーニングを積んであげる必要性もあるでしょう。
「私は今何を感じてるの?」「私はどうしたいの?」「私は今どんな感情なの?」といつもいつも自分に目を向けてあげるということは単に内観としての意味だけでなく、自分軸に目を向けて、ありのままの素直な自分を大切にしてあげるという意味で自己肯定感にもめちゃくちゃ良い影響がありますので、認知の歪みの話抜きにしても是非取り入れてもらいたいです。
第二のポイントは、必ず「紙のノート」で内観することです。
「面倒くさいから」「忙しいから」ということでここを横着してしまうと、内観の効果は半減以下になってしまいます。
そもそも執着やネガティブ感情などで心が波立って荒れている時に「ノート無し」で内観するのは難しい…と言うか、できないと思います。
ネガティブ感情に飲み込まれそうな時は必然的に思考力も落ちますから、いかに頭脳明晰な自立系女子と言えども、ここは素直に紙のノートの力を借りて欲しいところ。
文字は数千年前の文明・国家の起こりとともに生まれてきたものですが(楔形文字や象形文字が有名ですね)、そもそも文字というのが何で生まれたのかと言えば、「脳で処理しきれない情報を処理するためのツールとして」です。
部族が村落になり、村落が市になり、市が国家になる過程で、税務処理の計算だとか国家予算や役人の給料の管理だとかが、次第に人の脳では追いつかなくなっていきました。情報処理が人の脳のキャパを超えてしまいました。
そこで誕生したのが文字だったのですね。文字が生まれることにより、大量の情報を確実に処理できるようになりました。
…というのはプチ雑学ですが、この文字の起源にならって、我々も「処理しきれない情報や感情」は紙のノートに書き出しましょう。
紙のノートと文字抜きに「執着」や「認知の歪み」について考えようとしても、せいぜい「彼が悪い」とか「私なんてダメ人間だ」みたいなところで永遠にグルグルと迷宮入りしてしまうだけです。紙のノートと文字無しでネガティブ感情や情報を処理できるのは一部の超天才だけです。私を含む、私たちの多くはそんな超天才じゃないですから、紙にどんどん書き出すのが正解です。ましてや感情的になって思考力が落ちてるならなおさらです。
紙のノートに書きだすことによって、例えば先日の記事でお話したような、
「彼が最近帰り遅い→→(認知の歪み)→→彼が最近冷たい→→(認知の歪み)→→私はどうせ嫌われるんだ→→執着」という流れを明確にできたり、より自分の客観視が進んでいくでしょう。
「彼の帰りが遅い」という事実から「彼が最近冷たい」「彼は私を嫌いなんだ」という解釈が生まれるのは、自分の認知レンズが大いに関係しているということも理解できるでしょう。
そういうことを解きほぐしていくことによって、「認知の修正」をかけていくことができます。
すなわち、「彼の帰りが遅いことと、私が愛されているか否かは、別問題なんだ」ということを悟ることができるかもしれません。
あるいは少なくとも、頭では理解することができるようになるでしょう。少なくとも、同じところをグルグルグルグル堂々巡りしなくて済むようになりますし、より問題について理性的に、覚めた頭で考えることができるようになります。
こういうことができるようになるとパートナーシップにも良い影響が出てきますよね。
例えば、彼に「私はあなたの帰りが遅いと、もしかしたら私自身の認知も影響してるのかもしれないけど、これこれこういう風に感じちゃってちょっと辛くなっちゃうんだ」「帰宅時間とか、もう少し何とかなりそうだったら早めてくれると嬉しいな」「もちろん無理のない範囲でっていうのは前提だけど」という風に彼を責めない形で希望を伝えられるようになるかもしれません。
そういう風なフラットな伝え方ができるようになれば、必ず相手も耳を貸してくれるようになります。相手が自己愛者(narcissist)だったり、モラハラ系だったりする場合はまた話が別になってきますが…
普通の人だったら、相手の希望をそのまま受け入れることは無理だとしても、まず「耳を傾ける」ということは必ずしてくれます。
彼を責めない形で希望を伝えるということができるようになれば、少なくとも、「ため込んでため込んでため込んで急に爆発してブチ切れる」という依存型女子あるあるなやり方よりは確実にパートナーシップは上手くいくようになるんですね。
パートナーシップには相手との問題や価値観の相違などがつきものですが、フラットなやり方で相手と「交渉」するためにはまず自分と向き合うことが大切でして、そのためにも紙のノートを駆使すべきなんですね。
最後に、
ーー「認知が歪んでるってことはやっぱり自分はダメ人間なんだ」と思い詰めてしまいます。ーー
この部分ですね。そもそも「認知の歪みがある自分」に対してダメ出しをしてしまうということについてアドバイスできればと思います。
「認知の歪みがある自分はダメだ」という認知の歪みだとも言うことができますね。
意地悪なRyutaさんでしたら「”認知の歪みがある自分はダメだ”という認知の歪みを癒やしていきましょう!」とか言いかねないところなのですが、それは今回はナシでいきましょう笑
「認知の歪みがある自分はダメだ」という風にダメ出ししてしまう時、どういう風に向き合えば比較的楽になるのかと言えば…
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