【サロンコラム】「幸せとは何か」をずっとずっと問い続けていく
■【初めての方へ】ご挨拶とご案内。
■【お勧め記事】「恋愛こじらせ」「依存こじらせ」について50000字以上で深く解説しました。
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当記事は「前半」「後半」に分けてお届けしています。
「前半」では、以前質問者のひかりさんからの質問にお答えして書いたサロンコラム記事【機能不全家庭育ちの人の恋愛について教えてください】を全文無料公開しました。
普段あまり記事を無料で公開することはないのですが、これを機会に私が普段noteでどんな発信をしているのか、初見の方やメンバーじゃない方含めて多くの人に見ていただけたら嬉しいです。
「後半」では、「前半」の内容を踏まえて、ひかりさんから追加で感想と質問をもらったのでそれにお答えしています。
ひかりさんをはじめ、RKサロンメンバーはすでに「前半」の内容は読んでいると思いますので、飛ばして「後半」から読んでもらって大丈夫です。
もちろん復習的な感じで前半から読んでもらうのも良いと思います!
それでは早速参りましょう!
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【前半】機能不全家庭育ちの人の恋愛について教えてください
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【ご相談ここから】
送信者:ひかりさん
登録したばかりでまだ全部のコラムを読んでいないので重複した内容でしたらすみません。
機能不全家庭という共に家族の愛情不足で育った2人が、知り合って短期間で急激にひかれあうという状況を目の当たりにしています。
私自身は、理解出来ない部分が多いです。
しかし逆を言えば最高の相手であり結果二人は幸せになれるのでしょうか。
育った境遇が似ていて分かり合える、そんな相手というのは最高に運命的な出会いなのでしょうか。
頼られる存在と頼れる存在という関係が、お互いにとってのベストパートナーということなのでしょうか。
もしこれを共依存恋愛と呼ぶのならば、そのことについても教えていただきたいです。
他のサイトなどで見ると、共依存恋愛は長続きしない、ということを目にします。
しかし果たして本当にそうなのか?
当然長続きするパターンとしないパターンが存在するのではないだろうか?
そしてそれはそれぞれどういう状況下なのだろうか?
「単純に出会った瞬間に恋に落ちる人もいますし、その人その人で関係性は人それぞれなので、一概にどうかは何とも言えずわかりません」
「お互いがいいならそれでいいんじゃない?」
という結論になってしまうかもしれませんが、敢えて質問させていただきました。
ちなみに今回、男性側は既婚者です。
情報が少ないのでお答えが難しければ、「機能不全家族で育った男女の恋愛に対しての意識」、そして「共依存恋愛」について知りたいです。
お考えをお聞かせください。よろしくお願いします。
【ご相談ここまで】
ご相談ありがとうございますー!
ーー情報が少ないのでお答えが難しければ、「機能不全家族で育った男女の恋愛に対しての意識」、そして「共依存恋愛」について知りたいです。ーー
そうですね。。ご質問内容的に、今回はどちらかと言えば具体的事例というよりは一般論寄りな回答にさせていただくことになると思います!もし「ちょっと抽象的だなー」と感じたら今回の回答を踏まえて改めてご質問いただけましたら幸いです!(メンバーは何回送っていただいてもOKなので!)
ーー機能不全家庭という共に家族の愛情不足で育った2人が、知り合って短期間で急激にひかれあうという状況を目の当たりにしています。ーー
どのような機能不全家庭かにもよったりはするのですが、一般的に言って機能不全家庭育ちの人は心に大きな傷を抱えるものです。
その傷は例えば「私には価値がない」という無価値感だったりしますし、「私が犠牲になるべきだ」という自己犠牲感情だったりしますし、「私は幸せになってはいけない」という罪悪感だったりしますし、「私は劣っている存在だ」という劣等感だったりしますし、それはもう千差万別な、深い傷を抱えるんですね。「とても無価値感が大きい」という人もいますし、「罪悪感と劣等感のコンビネーション・パンチ」という人だっていたりして、ひとりひとりがそれぞれの理由で生きにくさを抱えるものです。
そして傷を抱えている人というのは、絶えず「依存できる誰か」「依存できる何か」を無意識的に探していることが多いです。もちろん、過度に自立的になって「誰にも頼らない」「何にも頼らない」を信条としているどっかのRyutaとかいう文筆家のフォロワーたちもいるのですが、それはまた別の話なのでおいておき、とにもかくにもその傷、その孤独感、その寂しさゆえに、「誰かとの結びつき」を強く希求していることが多いんです。
当noteでは依存による結び付きのことを「欠乏を埋め合わせるための関係性」という風にも言っていて、結論から言えばひかりさんが他のサイトで見たように共依存関係は長続きしにくいです。
…というより、共依存の場合、男女お互いが関係性の根本において「欠乏を埋め合わせるためのもの」として相手を選んでいる場合がほとんどであるため、それが長続きしようがしまいが「スタート地点からそもそもの歪みが生じている」と言うほうがいいかもしれません。
具体論をお話するとしたら、まず「関係が長続き」の定義をするところからなんですが、そうですね…じゃあ、交際関係が3年以上続くことを「関係が長続き」としてみましょうか。
セフレとか都合良い関係とかは互いの性格や本質があまり見えにくく、ただ刺激があるというだけの関係だと思いますので考慮に入れないことにしましょう。
機能不全家庭育ちで傷が深い場合、なぜ関係が長続きしにくいのかと言うと、お互いがあまりにも傷つきやすく、というかそもそも傷つきまくっているがゆえにとても繊細で、関係におけるタブーが多くなりすぎるからという要因があります。
つまり、「私は愛されてない」と感じるハードルがあまりにも低すぎる場合が多いということですね。
私のもとに相談をくれる方を見ているだけでも、「彼がラインをくれない」「彼女が他の男がいる飲み会にいっている」「彼が街ですれちがった女の子を見ていた」「彼女が会社の男の先輩の話をしていて傷ついた」「彼は私より可愛い子に取られるに違いない」「彼女が最近僕のことをあまり好きじゃないような気がする」
…などなど、彼/彼女に冷められてしまっているのではないかという相談が毎日山のようにくるわけなのですが、その「彼/彼女に嫌われていると感じる原因」を深く読んでいくと、奥底でめちゃくちゃ傷ついていて、その傷がえぐられているというパターンが9割なんですよね。
そして、そういった傷が刺激された暁には、例えば彼に対するコントロールに出てしまったり、彼女に対する束縛に出てしまったり、あるいは彼/彼女に対して「良い子」でいるあまり、その抑圧が我慢の限界に達してしまうということも多いです。
何が原因なのかと言えば、繊細すぎるのが原因なんですね。
もちろんひかりさんがおっしゃるとおり、「機能不全家庭同士、相手を深く理解できる」という側面もあるでしょう。
しかしながら、冒頭でお話したとおり「機能不全家庭」というのは千差万別に細分化できますし、さらにそれによって負う傷や、その傷の深さもまた千差万別です。
機能不全家庭育ちの人の中には、「母親に傷つけられてきて母親を〇したいくらい恨んでる」という人もいれば、「父親の性暴力に苦しんできて母親がいてくれたからこそかろうじて自らの命を繋ぎとめることができた」という人もいます。あるいは、「両親ともに私を放任していて、家庭が家庭としての機能を文字通り果たしていなかった」という人もいますし、「両親が敵対しあっていた結果、二重人格のような自分に常に苦しんできた」という人もいます。
そして、多くの傷を抱えている人は、自らが機能不全家庭で育ったことを「恥」だと考えている傾向があり、それを面と向かってありのまま公表することは恋人同士であっても滅多にありません。最近は飲みの場とかで平気で「私は毒親育ちでサーwww」なんて言っている人をお見かけしますが、失礼ながら本当に毒親育ちの人はそんなことをそんな大っぴらには言えないです。
多くの人はセラピストやカウンセラー、あるいはこういった匿名性が担保されている場で初めて、「私は機能不全家庭で育った」ということを詳細に告白するものです。(傷ついている人が自らの傷を率直に告白しやすいのは、私がnote中心に活動している理由でもあります。)
以上のような理由で、「機能不全家庭育ち同士が互いを理解し合った結果、長期的な深い関係を築ける」というパターンは私にはかなり奇跡的な関係のように思えます。
それぞれの境遇が千差万別なうえ、自らの家庭環境を「ありのまま」相手に伝えるのは、多くの機能不全家庭育ちの人にとって難しいことだからです。
「では、機能不全家庭同士がベストパートナーになるのは絶対にありえないのいか」と聞かれればそれはNOですし、運命の歯車が噛み合ってお互いを最も深く理解しあえる者同士が巡り合うというのは有り得ると言えば有り得るでしょう。
しかし私の体感をお伝えするのであれば、それは「有り得ると言えば有り得る」くらいの確率です。まぁ、なかなかに低い確率だと思います。
なので、ひかりさんが見ているお二人のように「機能不全家庭育ち同士が急接近するような恋愛」というのは、お互いがお互いの境遇や傷を深く理解しあっているからではなく、最初に書いてきたように、お互いの傷をお互いが埋め合わせたがっているからこそ燃え上がるような恋愛になるんだという理解が多くの場合、正しいと思います。
そして、そういう恋愛はきっと長続きしません。悪い表現を使えば「相手を利用しあうような関係」だからです。
もちろん、ひかりさんが見ているお二人のケースがこれに該当するかは分かりませんが。。あくまで一般論として、ですね。
ーー他のサイトなどで見ると、共依存恋愛は長続きしない、ということを目にします。
しかし果たして本当にそうなのか?
当然長続きするパターンとしないパターンが存在するのではないだろうか?
そしてそれはそれぞれどういう状況下なのだろうか?ーー
このひかりさんの質問に改めて整理してお答えすると、確かに互いを深く理解し合えて長続きするパターンもあるけど、男女それぞれが抱える傷が強い影響を及ぼすため、基本的には深く幸せなパートナーシップを末永く存続させるのは基本的には難しいのではないかというのが私見です。
当noteでも「親子関係で傷ついた人は恋愛よりも何よりもまず自分と向き合うのが先なんですよー」ということをよくお伝えしていますが、それは心の傷がパートナーシップにとても深い負の影響を与えてしまうからなんですね。
そしてもうひとつ質問してくださっている「機能不全家族で育った男女の恋愛に対しての意識」についてですが、これもまた千差万別かと思います。
なので一般論的な回答になることをお許しいただきたいのですが、一般的には男性が過自立しやすく、女性が過依存になりやすいという傾向はあると思います。
言い方を変えれば、男性は「相手と親密になること」を過度に怖れるようになりやすく、女性は「相手と結びついていないこと」を過度に怖れるようになりやすいということですね。
当noteの読者は自立系女子が多いですし、あるいは依存型男子からの質問も多くいただいていますが、一般的には男性が自立、女性が依存という傾向はあると思います。
機能不全家庭育ちの男性は、「不完全な自分を受け入れること」に過剰な抵抗を示しやすいです。
言ってしまえば完璧な人などこの世にはいませんし、誰もが長所の裏に短所を持っているものですし、そういった不完全さとか短所も含めて「その人」なわけなのですが、傷ついている男性ほど自分の不完全さや短所と向き合うことへの強い怖れがあります。それがパートナーシップに表れてきます。
どういうことかというと、それはパートナーシップが「その人のありのままをうつし出すもの」だからですよね。友人関係とか、いわゆる都合の良い関係とかだったら相手の本質もそこまで見えないですし自分の本質もさらけ出す必要はありませんが、恋愛の距離やパートナーシップの距離においては自分の「ありのまま」を少しずつ不可避的にさらけ出すことになります。
よって傷ついている男性から見て、恋愛とは「恐ろしいもの」になりやすいです。もちろん本人は無自覚でしょう。でも関係を近づけることを拒んだり、最初は燃え上がっていたとしても関係が近づいてくるとロックダウンしようとする背景には、男性側の自立性や親密感への怖れが大きく関わっているものです。
一方で機能不全家庭育ちの女性は「孤独」「不安」「寂しさ」を抱えやすい傾向にあります。
「拒絶された過去」「突き放された過去」「厳しくされすぎた過去」「愛されていなかった過去」…
原因はそれこそ様々ですが、そういった過去の影響が、「私は愛されていないのではないか」「私は受け入れられていないのではないか」「私は認められていないのではないか」という不安につながってきます。
よって関係が近づけば近づくほど、相手から嫌われたり、見放されたり、拒絶されたり、浮気されたりということを過剰なまでに怖れるようになりやすいですし、「自分が愛されていること」についてどこまでも確信が持てないので例えば試し行動に走ったりだとか、彼に無茶な要求を突きつけてみたりだとか、あえて「嫌われそうなこと」をしてみたりなどして、彼の愛情を測ろうとしたりすることもあります。
全ては深層にある不安や寂しさが原因です。
そこを癒していかない限りは、表面的には素敵な恋愛をしているようでも心の奥底ではいつも不安が渦巻いているなんていうことになりかねません。
繰り返しますが、女性が自立的なこともあれば男性が依存的なこともあり、それは機能不全家庭をベースとしつつも本人の遺伝的な性質や思春期の環境などによっても影響をうけたりします。難しいですよね。。
抽象的な回答になってしまったかもしれませんが、ひかりさんが現状を把握するための一助になれば嬉しいです。またいつでも送ってください。
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【後半】「幸せとは何か」をずっとずっと問い続けていく
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「後半」では、「前半」の内容を踏まえてひかりさんが感想と追加質問を送ってきてくれたので、そちらにお答えしていきます!
ひかりさんやRKサロンメンバーにとってはこの後半が、今回の記事の本編になります!
【ご感想とご質問ここから】
送信者:ひかりさん
こんにちは。
先日「機能不全家庭育ちの人の恋愛について教えてください」という件でご相談をさせていただきました。
細かい分析と内容説明に、冷静に自分の中で整理したり納得したりを繰り返し、大変勉強になりました。
以下、これは身バレ防止の為に無料のページやSNSなど誰もが目にする場所では公開しないで頂きたいのですが、かなり特殊な例だと思いその後をご報告したくてお話します。
正直、私が誰かに話したいだけなのかもしれません。
その後、機能不全家族で育ったその2人ですが…
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