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出口の見えない「依存/執着」をしている時の考え方と最初にすること~自分の感情に向き合いつつ自分軸を強めていく~

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「相手への麻薬のような執着を手放したくて、連絡を絶つなどしたけど、同じ職場のため執着を絶つのが難しいです…」

「執着への解決策が見出せず、途方に暮れています…」



RKサロンメンバーからこのようなご相談をいただきました。


執着手放しの最も基本的で教科書通りのテクニックとして、「相手との連絡を絶つ」「相手と会わないようにする」というものがあります。

人の感情は物理空間と密接にリンクしているものでして、物理的に会えない相手/連絡も取れない相手に対して、執着のように激しい感情を持つのは普通は難しく、要は「会えなければ会えないほど冷めていく」という人間心理を逆手にとったテクニックですよね。

これはこれで非常に効果があって、執着に悩んでいる人は「距離を置く」だけで解決することはけっこう多いです。


でも、例えば今回の質問者さんのように相手と職場が同じだったりなど、
物理的に連絡を取らないよう努力してもそれが難しい場合もあります。

そのような場合は事態が一気に複雑になりまして、「関係絶ちたいのに絶てない」「執着したくないのにますます感情が波立ってしまう」ということになりかねません。

むしろ、「相手と会いたい」「相手と連絡を取りたい」「相手と話したい」という気持ちの抑圧が跳ね返りとなって、さらに強烈に相手に執着する結果になってしまうこともあります。

このような場合、どのような考え方をすればいいのでしょうか。




【今日の記事はこんな方にお勧めです!】


・相手に依存的になってしまっている方

・相手に執着してしまっている方

・執着対象に気を取られて仕事や人間関係にまで支障がでている方

・恋愛やパートナーシップで自分ばかり責めてしまう方

・いつも真面目すぎて抑圧の激しい「自立系男子/自立系女子」の方

・相手との関係を絶ちたいけど、色々な事情で絶てないという方

・執着の手放しを進めていきたいけど、そのための心の余裕すらない方

・執着している際の考え方を知りたい方

・「執着を手放す方法」というよりは、「自分の執着感情に寄り添って心を楽にする方法」を知りたい方



是非読んでみてくださいね。

それでは、まずは今回のご相談から入っていきましょう。




【今回のご相談】


送信者:bonさん


Xのポスト経由で、noteの記事を拝読し、自信の執着?、依存?あるいは別の何か、の対処に何らかの光明を見いだせないかと思い、購読いたしました。
よろしくお願いいたします。


私は、10年前に、3年間W不倫の関係にあった女性とお別れしました。彼女が私から去っていった形での別れでした。
その際、彼女のアドレス等は一切消去しました。因果応報ですが、半年ほどは相当ひきずりました。

同じ会社ですが、彼女とはほぼ接点がないまま10年が過ぎ、一応家庭は円満。その後は、他の女性に惹かれる事なく、のほほんと過ごしてきました。
ところが、昨年4月に彼女が私の部署に2年間の期限付きで異動してきました。

内示を見たときは多少心が揺れましたが、実際に目の当たりにすると、さらに気持ちが揺れました。
同じ部署ですが業務が異なるため、当初は彼女と関わることはほとんどありませんでした。

しかし、9月に数名のチームで出張業務で一緒になってしまった際に、私の方から彼女へLINE交換を求め、あっさりOKで繋がってしまいました。
その後も、偶然にも彼女も交えたチームでの出張が今年の2月まで月に1回ペースで続きました。
その間、彼女とは出張先の飲み会の二次会で二人になることが数度あり、様々話を交わしました。

私の気持ちは彼女にハマってしまったものの、復縁は考えていませんでした。
彼女は、私と別れた後も他の人との噂が耳に入ってきたことがありましたが、彼女曰く、その噂があるのは知っているが事実では無いと言っています。
ただ、他の複数の人から告白(というか誘われた)ことはあるそうです。旦那さんとは年に2~3度、旅行に出かけるなどなど。
彼女は飛びぬけて美人ではありませんが、モテるのは確かです。


私に対しては、別れた人をまた好きになることはない。そもそも、もう誰かを好きになる事はない。
強いて言えば、私は、他の仲の良い人に比べれば、他の人に話せないことを話せる存在だそうです。

実際、彼女と地元で差しで飲むことはしませんし、出張先で飲んだ時も話をするだけで、腕を組むとかハグとかはNGです。

思い返すに、LINEをしても、飲みに行っても、そのあと何とも言えないモヤモヤが残ります。
にもかかわらず、LINEで繋がって以降、常にアタマのどこかに彼女の存在があり、胸が塞がった感じがずっと続いています。
しかし、彼女と話をすると、いったんは収まるものの、また元に戻る、の繰り返し。


すっかり執着というか麻薬のようなもので、これはマズいな、と。

彼女が異動してくる前のメンタルの安定に戻るには、関りを絶たないといけないと思い、この2か月、私から彼女へ連絡することは止めました。彼女からも私への連絡は無くなりました。

とはいうものの、心のどこかで、彼女からLINEが来るのを待っている、もしくは彼女へLINEしたい気持ちはまだ払拭できません。

さらに、最大の障壁は、同じ部屋で執務しているので、否応なしに彼女の姿が目に入り、声を聞く日々です。
誰かと話しているのを見るだけで、何とも言えない気分になってしまい、意識してしまっていることは否定できません。

これが来春まで続くのかと思うと、途方に暮れてしまいます。

執着の手放し等、Ryuta様の記事や他の方の書籍等、拝読しましたが、いかんせん、この状況ではなかなか難しところです。


しかも、私自身、彼女のどこに惹かれているのか、
思い起こすと、容姿、しぐさ、声、と表面的な魅力しか思い浮かばず、
繰り返しになりますが、LINE、飲み等では、その場では気持ちは高ぶりますが、後からの何とも言い難い感じが
重く、なぜここまで気持ちが持っていかれるのか。

手に入らないとわかっているし、手に入れたいとまで思っていない。
構ってほしいが、関わると気持ちが乱れる。

どうも、私自身が面倒くさい人間で独り相撲を取っているようです。


今までの相談された方と比較にならないほど、下衆な相談で、これが公開されるのかと思うと躊躇はあります。

身から出た錆、自業自得と言われればその通り、否定できません。

状況が状況なだけに、解決が見いだせず、相談というより、気持ちの吐露に近いと思っていますが、恥を忍んで相談させていただいた次第です。

※確認画面で見返しましたら、うんざりするぐらいの長文になっていました。申し訳ありません。
が、このまま送信させていただきます。よろしくお願いいたします。


【ご相談ここまで】



bonさん、ご相談ありがとうございます!


ーー手に入らないとわかっているし、手に入れたいとまで思っていない。
構ってほしいが、関わると気持ちが乱れる。ーー

ーーどうも、私自身が面倒くさい人間で独り相撲を取っているようです。ーー



私は執着について「去っていく相手を追いたくなってしまう」「大切だった人を忘れられない」「どうしても相手を手に入れたい」という文脈で書くことが多いですが、
bonさんのようにアンビバレントで微妙な感情が行ったり来たりする執着はより処理が難しいと思っていまして、
というのも、燃えるような激情的な執着であれば実は沈静化させるのが楽だったりするからなんですね。


「雨の例え」というのをよくしまして、例えば南国のスコールのような雨ってザーーーッと勢いよく大量の雨が降ってそれでカラリと晴れたりするじゃないですか。最大瞬間的な雨量は多いけど、時間的にみれば数分~数十分で止みますよね。

でも、日本の梅雨の雨のように「しとしと降る系の雨」って、最大瞬間的な雨量は少ないけれど、一日中あるいは数日かけてずっと振り続けますよね。あと2か月もすれば梅雨入りということで、私は今からもう憂鬱なのですが、スコールより地味な雨のほうが「持久力」があるんです。

執着もこれとよく似ていると思いまして、激情的で激しい執着って、その瞬間はもちろん辛いのですが、感情の嵐が去っていくのも早いです。

「人間は6分以上本気で怒り続けることはできない」というのはアンガーマネジメントの基本法則として知られていますが、激しい執着感情もこれと類似に考えることができまして、さすがに6分は言い過ぎだとしても、激烈な執着感情を数週間、数か月持ち続けることは多くの人にとって難しいことです。

激しい執着は多くの場合時間が解決してくれますし、いつかは「まぁいっか」という気持ちになるものですよね。

相手と物理的に距離をとったり、連絡を絶ったりすればさらに感情が冷めるのは早くなるでしょう。



一方で、bonさんのように「手に入らないとわかっているし、手に入れたいとまで思っていない」と一方では感じていつつの、矛盾的で曖昧さのある執着感情(波が行ったり来たりする執着感情)は、とっても扱うのが難しいと思われます。

慢性的な執着感情というか、執着状態がデフォルト化してしまっている状態ですね。


bonさんのような慢性化した執着は、激情型の執着より「突発的な辛さ」はまだ幾分マシかもしれませんが、ボディブローのようにじわじわとずっと心に残り続けるという辛さがあります。

さらに、職場が同じというところで、相手と嫌でも関わらざるを得ないという状況が、執着の辛さに拍車をかけていますよね。

距離を置こうとしても物理的に不可能で、bonさんがおっしゃるとおり、とてつもなく「解決策が見出しにくい」状況だと思います。


bonさんのようなケースについてどういう考え方をしていけば良いのでしょうか。


最初に、「相手に執着をしている時に関係を絶とうとするのは、そもそも正解なのか」ということについて書いていきます。

結論を明かしてしまうと、これは実はケースバイケースでして、「関係を絶つ」が必ずしも正解ではなく、むしろ自分の心を追い詰めてしまうという場合もあります。

次章で詳しく解説しましょう。



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