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ロシアで学んだメソッド『レガートとは音と音をペダル無しでもつなげて美しく聞こえさせること』

10月4日に白金ピアノスタジオから生配信した、ピアニスト佐藤幸子さんのスタジオライブから、モーツァルトの「幻想曲 ニ短調 kv 397」の演奏を公開しました。

モーツアルトは神童と言われており、「作曲をする時には音が上から降りてきてそれを楽譜にしたためた」「5歳のときからすでに作曲をしていた」など、天才ぶりを示す多くのエピソードが伝説として残されています。

ただ、「幻想曲 ニ短調 kv 397」の最後の数小節は、モーツアルトが書いたのではなく、別の方が書いたとされています。なので、最後の部分だけ弾かないピアニストの方も居られるそうですが、佐藤さんはこの部分も弾いてくださいました。短い中での曲調の変化、物語性をお楽しみください。

ロシアの名門 チャイコフスキー記念モスクワ音楽院で6年学び、グルジアの女性ピアニストで教育者としても名高いエリソ・ヴィルサラーゼ女史に師事した佐藤さん。MCでは「レガート」のメソッドに関する興味深いお話をしてくださいました。

レガートはイタリア語で「なめらかに」という意味ですが、ロシアでレッスンを受けている際、レガートをなめらかに弾いているつもりだったのに、先生には「レガートじゃない」と言われてしまい、一体どうしたらいいものかとかなり試行錯誤を重ねたそうです。

実は日本ではレガートをペダルでつなげすぎるという傾向があるそうで、佐藤さんもその一人だったそう。そして、最終的にレッスンを受けて、いろいろな人の演奏を聞いていくうちに、『レガートとは音と音をペダル無しでもつなげて美しく聞こえさせること』というのがわかってきたのだそうです。

それによって、メロディがそれぞれ独立し、内声の隠れている音も弾き分けることができるようになったそうです。メソッドを一つ自分の中に確立し、演奏者として一段回上がる事ができたという佐藤さん。

バッハの平均律クラヴィーア曲集 第1巻より「Prelude」の演奏もお聞きください。



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