『ヘルドッグス』ネタバレ感想

キャッチコピーは
『狂犬よ、のし上がれ。』

この上なくシンプルなんだけど映画のタイトルがヘルドッグス(地獄の犬たち)なのに何で狂犬?って思いました。

じゃあ最初の「なんで狂犬か」について
出月(後の兼高)は本編の11年前には巡査として主にスーパーの見回りをしてたけど、そこで自分のいない間に銃撃事件が発生。
そこで仲良くしてた(多分)女子高生含む4人の死体を目の当たりに。そこから約8年、犯人たちを独自で探し出し罪を償わせていった。のだけど、何でここまでやるのかについては後半で、
怪しい男たちを発見したのにも関わらず未然に防げなかった後悔が出月の中で大きく膨らみ、長い間復讐に走ったんだと思います。
正しく「狂犬」
そこからヘルドッグスという組織に潜入してのし上がっていくことになる。
出月は本当に女子高生にぞっこんだったかについては恵美裏が「あの人は男女平等」と言ってた通り、どんな人であれ平等に接していただけで特別な感情を表しているようには思えませんでした。
本当に好きならその人の遺族にだけ金を送ってたはずですし、4人の被害者遺族に送っているというのは出月の後悔の面が強く出て、犯人がというより自分自身の贖罪として名前を出さずに金を振り込んでいたと思います。

そんな出月、じゃなくて兼高がアンダーカヴァとして潜入した先のヘルドックスの中にいた「室岡」という男について、
後にコンビを組むことになるけど経緯は最初省かれているんですよね。だからいきなり懐いている室岡に驚きました。
なんで懐いているかについては、室岡自身を疎まずに接してくれたからなのかなと思っています。過去のことについて、親については特に触れて欲しくない室岡にとって普通に接してくれる兼高はそれは兄貴と呼ぶに相応しい男に見えたのだと。
同じ経緯の過去を持つ人たちの集まりに入っても馴染もうとしなかったのは何が何でも過去を思い出したくないからであり、過去を話した相手も数少ない中それでも追及せずだからといって離れようともしない兼高に懐いたのかなと…。
ラストで室岡と恵美裏どっちが大事なんだ!って叫んだのも兼高に救いを求めていたのではないかと。

そんな室岡を打ち抜いた兼高。でもそれは選ばなかったわけではなく、むしろ彼の終わらない苦しみを解放してあげたように思えます。
「男女平等」と言われた兼高ですが、このシーンで室岡は特別大事にしてたんだと思いました。
少し前に煽ってきた三神にブチ切れた室岡に対し、組織の一員であれば咎めるはずが「逃げろ」と言ったのも兼高が室岡を大事にしているからなのかなと。

ラストで兼高の一言
「マットドッグで始まり、ヘルドッグで終わる。」

かっこよくもあり切なかったです。
自害を止められた兼高が今後どうなったのかは明らかにされていませんが、そこは視聴者の想像にお任せってことかな。

アクションはともかく人の在り方について、いい意味で頭を抱える作品だと思いました。
個人的に面白いシーンは案内役のお歯黒が丘を登るところで皆に置いて行かれたところです。

駄文でしたが最後まで読んでくださりありがとうございます。
また何かあれば投稿します。