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誠実な災害報道を誓い 寄付を募ります

 長崎県雲仙・普賢岳で起きた大火砕流災害から、2021年6月3日で丸30年を迎えます。
 災害報道に当時携わった私たちは、全ての報道人に呼びかけます。

雲仙 大火砕流 30年

 「6・3大火砕流」は、私たち報道に携わる者にとって、痛恨の記憶です。
 犠牲者43人のうち、報道関係者は20人に上りました。この中には、チャーターしていた地元タクシーの運転手4人と、取材クルーの一員だった大学生も含まれています。
 さらに、避難勧告区域内で古里の警戒に当たっていた消防団員11人の犠牲は、報道機関への強い批判を巻き起こしました。
 日々ニュースを伝えていながら、火山災害のスケールを見誤っていたのは明らかです。

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 また、大火砕流の発生から終息まで、4年にわたる長期災害となったことで、普賢岳災害は災害報道のあり方を根底から問い直すものとなりました。
 メディア関係者と島原市民との対話集会は10年間にわたって開かれ、多くの記者・カメラマン・ディレクターが島原市に集まって、災害の教訓を共有し、様々な論点を話し合ってきました。

▼「立ち入りが禁止された地域の現実を、どう報道していくのか」
▼「一過性でない、住民とともにある災害報道を、どう続けていくのか」

 同じことが、雲仙から20年後に発生した東日本大震災の報道でも問われました。大火砕流災害は、過去の出来事ではなく、私たちがどんな災害報道を志していくべきかを指し示しています。

 今年で30年を迎えるのを機に、地元島原市の住民組織「安中地区町内会連絡協議会」が、多くの報道陣の被災した取材ポイント、通称「定点」を整備し、今も無残な姿をさらす車両3台を保存する取り組みを始めました。長崎に拠点を置く報道機関は、資金的な協力をすることで、足並みをそろえました。
 町内会連絡協議会さまが1月17日に実施した「定点」周辺の草刈り作業は、報道関係者も加わって行われました。
 地元のみなさまは、整備完了後の維持・管理も念頭に置いておられ、感謝の念に堪えません。

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 ご厚意に応えるため、当時報道に携わっていた私たちは、広く寄付を受け付ける専用口座を開設しました。
 所属するメディアにかかわらず、報道に携わる個人、災害報道に関心を持つ有志に広く参加を呼びかけます。
 集まった資金は、決済手数料を除く全額を町内会連絡協議会さまにお渡しし、現地の整備と維持・管理にご活用いただきます。

 これからも望まぬ災害は起きるでしょう。

 報道機関としての責務を誠実に果たし、被災してしまった人とともに歩んでいく誓いとして、「定点」の整備・維持に協力したいと私たちは考えています。多くのご参加をお願いいたします。

2021年1月30日

雲仙火砕流災害を忘れないメディア有志    

呼びかけ人代表
神戸 金史(かんべ・かねぶみ)
RKB毎日放送 デジタル報道担当局長

 ※ 91年、毎日新聞入社直後に災害に遭遇
  92年~95年、島原支局で災害取材専従
連絡先
814-8585
福岡県福岡市早良区百道浜2-3-8
RKB毎日放送 報道局 気付
092-852-6666

Facebookページも開設しています。

「定点周辺保存整備工事」 概要

石積み・コンクリートで整備して、掘り出した車両を保存
する。総工費は税込みで399万円。3月末、竣工予定。
(安中地区町内会連絡協議会さまの工事計画書より)

20210117整備完成予想図

寄付専用口座 

ジャパンネット銀行 はやぶさ支店
(金融機関コード 0033) (店番号 003)
※ 4月、PayPay銀行に改称予定

普通 4858626  カンベ カネブミ

1口 2,000円から
◆振込手数料 各自ご負担ください 
◆受け付け期限 7月30日まで

クレジットカードでのご寄付

マスターカード、VISAカードでのご寄付は、こちらのサイトから。
QRコードからもサイトに入れます。

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フライヤー

メディア関係の方々は、ぜひプリントして職場にお張りください。

大火砕流「定点」整備_寄付の呼びかけ


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