【短編】8月31日、切符を拾った。03
≪*夕方編*≫
***sideおおきな”わたし”***
西へ、西へ、西極《さいはて》へ…と雲たちが帰っていくような夕暮れ時だった。
「なるほど…」
「多肉ちゃんと朝顔が…」
お姉さんは、ただ、聞いてくれた。そして分かったような事も一言も言わずに「ジュースは体が冷えますから」とポットのお茶を分けてくれた。
真緒とまお。わたしとワタシ。おおきなわたしとちいさなワタシ。どこかのお姉さんに優しくされてさらにわぁわぁ泣いた。
たなびく薄紫がもう空の向こう側に迎えに来てくれて