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タックル禁止!?~ヒップドロップタックル~

吉瀬真珠さんをいかに可愛く撮るかってことばかり考えていたら、最終更新から2年以上経ってました。日曜現場が多すぎて23-24シーズンは月曜早朝ほとんどリアタイできなかったし、ドラフト上位候補者も全然わからないし、これじゃあ完全にアイドルヲタクですね。ちなみに3月31日は大阪BIG CATでいぎなり東北産の春ツアーです。みんな来ましょう。
そんな中、昨日(現地時間25日)興味深いルール改正が発表されました。若干物議を醸してる今回のルール改正は果たしてどのようなものなのでしょうか。


はじめに

先日から話題になっていた、”ヒップドロップタックル (hip-drop tackle、以下本記事ではHDTとする)”を禁止とするルール改正案が正式にオーナー会議で承認され、24-25シーズンから適用されることが発表されました。

ヒップドロップタックルは一般に「ディフェンスのプレイヤーがボールキャリアを進行方向後ろに引き倒すようなタックル」として知られていて、NFLに先駆けてナショナルラグビーリーグ(NRL:オーストラリアの13人制ラグビーリーグ)で禁止されるなど、アメリカンフットボールのみならず、スポーツ選手の安全確保の観点から注目されているタックルです。

背景

調査結果

HDTはボールキャリアの足首や膝に大きな負担がかかる危険なタックルで、BALのTEマーク・アンドリューズや、DALのRBトニー・ポラード、KCのQBパトリック・マホームズなどがHDTを受けて負傷しています。

実際にどれほど危険なのか、NFLが行ったHDTに関する調査の結果は以下の通りです。

・過去2シーズン約2万回のタックルを確認
・そのうちHDTに該当するものは105回(≒0.5%)
・HDTはその他のタックルと比べて怪我のリスクが20-25倍高かった

選手、ファンの反応

NFLは近年選手の健康と安全の確保に気を配っており、今回の改正もその流れを受けたものになります。

しかし、NFL選手会(NFLPA)は選手、コーチ、審判、ファンを混乱させるとして今回のルール改正に反対の立場を取っており、多くのファンもNFLPAのそれに似た意見を発表しています。

NFLPAの声明

ディフェンスに不利すぎる」「正しく判定できるとは思えない」といった意見が多く、導入決定後も見直しを訴える多くの声が上がっています。

HDTとは

条文

そもそも今回禁止されるHDTとはどのようなものなのでしょうか。ルール改正で追加されるHDTに関する条文(12-2-18)は以下の通りです。
*最終決定前に変更される可能性があります

ARTICLE 18. HIP-DROP TACKLE. It is a foul if a player uses the following technique to bring a runner to the ground:

(a) grabs the runner with both hands or wraps the runner with both arms; and

(b) unweights himself by swiveling and dropping his hips and/or lower body, landing on and trapping the runner's leg(s) at or below the knee.

Penalty: For a Hip-Drop Tackle: Loss of 15 yards and an automatic first down.

NFL.com

これを見ると、NFLはHDTを以下の3つの要件で構成されるものと定義したようです。

  1. 相手を掴む(Grab/Wrap)

  2. 身体を旋回させる(Swiverling)

  3. キャリアの膝より下に体重を乗せる(Landing and Trapping)

「後ろから抱きつき、尻をひきずるようにしながら進行方向後ろに倒そうとするタックル」の中でも、特に「ボールキャリアの脚に乗って、足首や膝に大きな負荷をかけるタックル」を反則対象としており、我々の想像する全てのヒップドロップタックルが反則になるわけではないことには注意が必要かなと思います。

具体例

具体的には以下のようなタックルが、上記3つの要件を満たした、今回禁止されるHDTです。負傷が発生した事例ですので、動画で観たい方はキャプションのリンク先にとんでください。

HDTの例1(https://www.youtube.com/watch?v=0fa3smREgzo
HDTの例2(https://www.youtube.com/watch?v=4uAVLKtHyk8

(恐らく)反則にならない例

NFLファンのリアクションを見ていると、"hip-drop"という語のイメージが先行して、"Swiverling"と"Landing"が見逃されているのではないかという印象を受けました。ルール改定案を読む限り、以下のようなタックルは反則をとられないはずです。

"Landing"していないためHDTではない(https://www.nfl.com/videos/myles-garrett-comes-up-with-pivotal-fourth-down-sack-on-joe-burrow
恐らくHDTに当たらない例。”Swiverling” していないように見える(https://www.youtube.com/watch?v=zmeyLxDk7Rs

ただし、"Swiverling"には、上のタイリーク・ヒルが受けたような、いわゆる「飛び込みタックル」が含まれるという情報もあるため、確定版の発表を待ちたいところです。

まとめ

個人的には1試合に1回発生するかしないかのタックルを禁止したところで、NFLPAやファンが懸念しているような大きな混乱/影響はないんじゃないかと思っています。
金を生み、そして金をかけている  ゲームの構造上タックラーより無防備になりやすいボールキャリアを積極的に守るというリーグ/オーナー側の動きはこれからも続いていくはずで、我々もそろそろ慣れていく必要があるのかなと感じました。ラフィング・ザ・パサーしかり、ホースカラータックルしかり。


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