NFL反則解説シリーズ #17「チョップブロック」
<注意>
①情報の正確性には細心の注意を払っているが、誤りを含む可能性がある。また、簡単のために一部省略していることがある。
②特に注意書きが無い場合はNFLルールの話である。
③記載内容は執筆時点で最新のルールに基づく。
④基本的な単語については解説を省略することがある。分からない単語があった場合、過去の記事「#0-3 反則に関する用語」「#0-2 罰則の運用」を参照していただくか、ネットで検索していただきたい
要約
チョップブロック(Chop Block: CHB)は High/Low の組み合わせでダブルチームブロックを行う反則。15ヤードの罰退。
定義
あるオフェンスのプレイヤー(A1)があるディフェンダーの腿より下(腿を含む)をブロックしている時に、もう一人のオフェンスプレイヤー(A2)が同じディフェンダーの腰より上をブロックすると反則である。この時ブロックの順番は関係ない。
【チョップブロックの例①】
〈例〉
①A2が腰より上に接触しているディフェンダーに対してA1がチョップする。
②A2の腰より上への接触が終了したが、まだA2が対峙(Confronting)している時にA1がチョップする。
③パスプロテクションの姿勢をとっているA2と対峙している(接触はしていない)ディフェンダーに対してA1がチョップする。
④A1がディフェンダーの腰より下をブロックした直後に、A2が腰より上へブロックする。
⑤バックフィールドに位置したA1が、A2による腰より上へのブロックに続いてチョップする。
⑥オフェンスラインマンであるA1が、A2にブロックされているディフェンダーに対してチョップする。
なお、ディフェンダーが接触をイニシエートした時や、ブロッカーがディフェンダーからスリップしようとしている時(=ほかのディフェンダーをブロックしにいこうとしている時)、また偶発的な接触であった時は反則ではない。
【チョップブロックの例②: #48が腰より上へブロックしてるディフェンダーの腰より下に対して#42がブロックしている】
罰則
15ヤードの罰退。
【チョップブロックのシグナル: パーソナルファウルのシグナルの後に両手で腿の横を叩く】
補足
バックサイドがカットブロックのアサイメントになっているランプレー時に、別のオフェンスプレイヤーがそのディフェンダーに対してコンビを組もうとしてしまうとチョップブロックとなる。誰が誰に対してカットするかちゃんと理解していなければならない。
【ランプレーのバックサイドでのチョップブロック】
また、パスプロ時にRBが寝ブロを打ちに行った相手(主にブリッツしてきたLBやDB)に対してOLがリアクションできてしまうと、これもチョップブロックとなる。
【パスプロ時のチョップブロック: RBが寝た相手をOLがブロックしてしまっている】
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チョップブロックとは直接関係ないが、定義の章で紹介した「チョップブロックの例②」の#42はパントダウン中にローブロックを行っている。
NCAAルールではキックダウン中のローブロックは全面的に禁止されているが、NFLルールではキッキングチームの選手はキックが蹴られるまでの間であればローブロックをうつことが認められている。なおリターンチームのローブロックはどのタイミングであっても禁止である。
NCAAルール
基本的には同じである。ただパスプロテクションに関する例示(定義の例③)等が無いため運用が異なっている可能性はある。
なおNCAAルールにおいては「対峙」していなくても、腰より上へのブロックが離れた直後のディフェンダーに対するチョップは反則となる。
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