NFLジャッジリビュー Week 3
1. スナッパーのフォルススタート
(NOvsNE 2Q 14:23)
スナッパーがフォルススタートを取られる珍しい場面(ただし今シーズン既に3例目)。 一度ボールを持ったスナッパーは、スナップするまでボール等を(急激に)動かし、スナップと紛らわしい行動をしてはならない。
2. QBのフォルススタート
(NYJvsDEN 4Q 1:51)
QBはスナップを受け取る必要があるため、ボールがスナップされる前の動きに対する制限が他のポジションと比べて緩いが、このような急激な動作はスタートと紛らわしいため禁止されている。
Week 2 の CINvsCHI でフィールズが2回フォルススタートを取られているが、こちらはショットガンフォーメーションでスナップが出る前に足や腰を動かしてしまったために取られたものである。
3. パントへのタッチ
(NOvsNE 2Q 9:03)
素晴らしいパントブロックであるが、今回はそのブロック後についての話である。
パントを含めたスクリメージキックは基本的に蹴った側のチームが触ることは許されておらず、触った場合は触った地点でバイオレーションとなり、リターンチームがそこから始める権利を得るというのは広く知られている。
ただ、今回はパントブロック後に48ヤードラインでキッキングチーム(NE)の選手がボールに触っているが、次プレーの開始位置はリターンチーム(NO)の選手がボールを抑えた49ヤードラインであった。
【上パントブロック直後のプレーの開始位置】
これはスクリメージライン(NCAAルールではニュートラルゾーン)を超えなかったスクリメージキック(=パント、FG)はキッキングチームにも確保して前進させる権利があることが関係している。
ただし、この時「攻撃権の放棄」は行われない(∵攻撃権の放棄はスクリメージキックがLOS/NZを越えたときに成立する)ため、もし仮にキッキングチームが確保しても、更新線まで届かなければギャンブル失敗と同じ扱いとなる。つまり、ほとんどの場合攻守交替となる結果には変わりない。
逆に言うと確保した後にダウン更新線を越えればキッキングチームにファーストダウンが与えられるため、スクリメージラインを越えずに転がっているキックはリターンチームも全力でカバーしにいく必要がある。
4. 前後半残り2分未満でのファンブル
(TBvsLA 2Q 0:25)
【次プレーはファンブルしたLA陣45ヤードから】
ファンブルは通常フリーボールであるため、オフェンスディフェンス問わず全ての選手に前進させる権利が与えられているが、前後半残り2分未満、第4ダウンおよびPAT中には、
①相手チームの全選手はファンブルを確保、前進させることができる
②自チームで前進させることができるのはファンブルした本人だけ
③自チームの他の選手がリカバーした瞬間にボールはデッドとなり、次プレーはファンブルした地点から始める。ただし、リカバーした地点がファンブルした地点より後ろだった場合はリカバーした地点から始める
というルールが適用される(なお第4ダウンについてはオフェンスチームのみの制限である)。
※NCAAルールでは第4ダウンとPAT中についてのみ同様の規定が存在するが、時間による制限は存在しない。
5. 見逃されたディレイオブゲーム
(BALvsDET 4Q 0:07)
タッカーの決勝66 yds FG直前のプレーだが、プレークロックが0になった後にスナップが行われており、本来であればディレイオブゲームの反則を取るべきであった。この反則が適切に取られていれば恐らく試合の結果は変わっていただろう。
ちなみに時計が止まっている状態で発生した反則であるため、10秒減算の対象とはならない。
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