NFLジャッジリビュー Week 2

  もうWeek 3が始まっているが、ここでWeek 2で気になったプレーを紹介する。

1. ライン際のキャッチ (TENvsSEA 2Q 1:16)

  Twitterでも物議を醸したフリオジョーンズのエンドライン際でのキャッチ。角度によっても見え方が変わってくる非常に判断が難しいプレーではあったが、

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この画像でも分かるように、左足のかかとがわずかに白い部分にかかっており、アウトオブバウンズ(=TDではない)という判定に誤りは無かったというのが一般的な見解である。

  ちなみにこのプレーでは、かかとがつく前につま先がエンドゾーンに接地しているように見えるが、「接地した部分は全て足と見なす」「足が一部でもアウトオブバウンズであればアウトオブバウンズ」という規則が存在する(らしい)。

  なお、トードラッグについては、中に接地した箇所以外がアウトオブバウンズになる前に、中に接地していた箇所がアウトオブバウンズとなりその瞬間プレーが終わる、つまりプレー終了までに「足として接地」したのはつま先だけであるため、キャッチが認められる。

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2. セーフティ?(TENvsSEA OT 8:08)

  1.と同じ試合のOTから、セーフティだったのではないかと話題になったプレー。なおOTはどちらかがセーフティを取れば即終了となる。

  一見するとエンドゾーン内で捕まえられたように見えるプレーであるが、

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タックルが始まった後のこの瞬間にボールがゴールラインを超えているため、SEA陣1ヤードでボールデッドという判定に誤りはなかった。


3. 腰より下へのブロック(2021年シーズンルール改正)

  2021年シーズンより腰より下へのブロックが反則となる条件が変更となった。

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(タイトエンドボックスの図: 幅=プレビアススポットから左右5ヤード、奥行き=LOSから前後5ヤード: http://www.footballzebras.com/2021/04/rules-proposal-extends-low-block-fouls-to-scrimmage-downs-yes-more-penalties/ より引用)

  昨シーズンまでは、通常のスクリメージダウンであれば他の反則に当たらない限り腰より下へのブロックが認められていた(※この反則に関する解説記事が無いのは、2020年度この反則が1度も取られなかったからである)が、今シーズンより、タイトエンドボックスの外での腰より下へのブロックは、オフェンスディフェンス共に反則となった。
  なおタイトエンドボックス内であってもクラックバックブロックやチョップブロック等他の反則に該当するブロック、キックダウン中ターンオーバー後の腰より下へのブロックは従来通り反則となる。

 なお上のジョーンズのブロックはタイトエンドボックス内であり、クラックバックにもあたらないため合法である。

【余談:NCAAルールにおける腰より下へのブロック】

※以下は簡易的な記述であるため、やや正確性を欠くところがある。

①ターンオーバー後、キックダウン中の腰より下へのブロックは反則。
②攻撃チームのタックルボックスの中に入っているラインマンは、ボールがタックルボックスから出るまでの間であれば腰より下へのブロックを行ってよい。
③それ以外の攻撃選手は、ニュートラルゾーンから5ヤードを超えない位置で、かつディフェンダーの正面(ディフェンダーの視線を12時としたときの「10時から2時」の範囲)からであれば腰より下へブロックしてもよい。ただし、スナップ後に一度でもタックルボックスの外に位置していた、もしくはスナップ時にモーションしていた選手がスナップ時のボールの方向に行うもの、そして自陣エンドラインの方向に行う腰より下へのブロックは反則である。
④守備側の選手は、ニュートラルゾーンの前後5ヤードであれば腰より下へのブロックを行ってもよいが、バックワードパスを受けようとしている攻撃側の選手と、ニュートラルゾーンを超えた位置にいる攻撃チームの有資格レシーバーに対する腰より下へのブロックは反則である。

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