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零細起業の経営実務(7)情報発信・宣伝について


起業したい、するかもしれない研究者さんのために、リーゾの経験談をお伝えしています。今回は、商売の宣伝に欠かせない情報発信のノウハウについてまとめたいと思います。

どんなに良い製品やサービスを作って売り出しても、それを必要としている人のところに情報が届かなければ、買っていただくことはできません。時間が経てばじわじわ広がるかもしれないですが、時は金なり(何もしなくても家賃や人件費は出ていきますからね)。的確な情報発信は零細起業の生命線と言っても過言ではありません。

零細でお金のない(リーゾみたいな)会社にも使える情報発信の方法はいろいろあります。

(1)ホームページ
今やビジネスには必須のホームページ。初年度予算5万円くらいに抑えたい、でも時間ならかけられる、作成後の更新は自分でやりたい、という場合にお勧めなのが、コンテンツマネジメントシステムをレンタルして自作するという方法です。

リーゾでは、1次、2次の自社サイトまでは、ホームページ作成ソフトで自作していましたが、2回目のリニューアル時から「be-cms」というシステムを使っています。
後述のブログと同じような感覚で、更新も自由にできるし、ページを増やすのも簡単。問合せフォームなども作れます。
最初に数十日間の無料お試し期間があり、その間に使い方を覚えて、全数十ページにのぼるサイトを自作してリリースでき、リニューアル完了。現在も使い続けています。

(2)ブログ
ホームページには書ききれない情報や、もう少し砕けた感じの記事を発信していくのに便利なツールです。無料で使えるものがたくさんあります。ホームページより立ち上げやすいので、リーゾではブログの方が先にスタートしました。

ブログに詳細を書いておき、ホームページからリンクさせると便利です。この際、ホームページとブログは別々のサーバーにあると、検索で上位に行きやすいらしいです。

(3)FAX DM
大学の農学部や全国の農業試験場に向けてFAXで広告を送ったこともあります。
最初は会社のファックス付電話で普通に送っていましたが、半端な待ち時間が苦痛。しかも遠方に送ると料金もそれなりにかかることから、インターネットのFAX送信サービスを利用することにしました。
原稿(PDF)と送り先リスト(エクセル)をアップし、送信予約をするだけで済み、全国どこに送っても10円程度。とても助かりました。
でも相手先によっては「迷惑ファックス」になってしまうこともあるので、最近は控えています。

(4)チラシの新聞折込
実験補助セミナーの宣伝に時々使っています。地域限定で情報発信したい場合に有効な方法です。何丁目のレベルまで地域を指定して折り込んでもらえます。
新聞を取っている家にしか届かないのが難点ですが、逆に新聞を取っている層(一般家庭の主婦とか)をターゲットにする場合には利点になります。
費用は、自分で印刷して持ち込めば1000枚で3000円程度です。

(5)ローラー作戦で飛び込み営業
実はリーゾでも初期の頃、代理店の社長さんにくっついて、つくばの研究室を片っ端から訪問させていただきました。ほとんどの研究者さんは挨拶だけ、せいぜい雑談だけで、1〜2分で終わりですが、たま〜に「そういうのが欲しかったんだ!」という方に巡り合えると疲れが飛びました。
アポなしで訪問するのは嫌がられるのではないかと及び腰でいると、「お客様に役に立つことをしているんだから堂々と行きなさい」と諭されたのを覚えています(なかなか難しいですけど・・・)。

(6)雑誌などに広告を出す
学会の要旨集に広告を出したりもしました。発行部数は数千部と少なめですが、ターゲット分野の研究者にまとめてアプローチできるメリットがあります(研究者さんって広告ページあまり見ない気もしますが)。
費用は1ページ3万円程度です。

(7)展示会などに出展
農研機構のテクノコロキウム、つくば市主催の展示会(秋葉原)、銀行主催の商談会など、日帰り圏内で、無料で出展できる展示会にはできるだけ出展するようにしました。劇的な宣伝効果は期待せず、何かしらの展開につながる出会いが1件でもあればよしとしています。いろいろとノウハウも蓄積できますし、主催者側とのパイプもできます。

(8)新聞などの取材
取材の申し込みは、誰かのお役に立つ限りは喜んでお受けすることにしています。概ね好意的な記事を書いていただけるので、無料で宣伝できるありがたい機会です。
でも、「芸能人との対談記事を載せたい」という、実は高額な掲載料が必要な取材申込(?)もあるので要注意です(もちろん、一概に悪質とは言えませんが、リーゾ的にはありえない話でした)。

(9)メールマガジン
震災で気分が沈んでいたときに、こんなときこそ新しいことをとの思いで始めたのがこの「すいすい通信」です。
月に1回、リーゾのことを思い出してもらい、注文するきっかけになれば、という下心も、もちろんあります。

というわけで、いままでいろいろ試してきましたが、どんな方法であれ、新しい情報を発信「し続ける」ことが大事だということと、ほどよく生身の人間像が垣間見られる発信が受け入れていただきやすい、ということを感じています。

まだやっていないこと、やってみたいと思う方法としては、
・学会の企業ブースやランチョンセミナー(ちょっと憧れ、でもお高い!)
・実験補助者採用のコツや、すにっぷすいすいなど、研究者さん向けの講習会
・「クックパッド」などで、美食同玄米レシピコンテスト
などがあります。
考えるだけでわくわくしてしまいますが、いずれご縁があればそんなこともできる日がくるかな?と楽しみにしています。

以上、ビジネスに欠かせない情報発信について、リーゾの経験をまとめました。
ご参考になれば幸いです。

文中でご紹介したサービスの情報は下記サイトにあります

be-cms
http://www.be-cms.com/

ココログについて
http://www.cocolog-nifty.com/start/

インターネットファックスサービス(ネットリアル)について
http://www.netreal.jp/

(2015年7月1日配信のすいすい通信より)

「すいすい通信」
https://rizo.co.jp/merumaga.html

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