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70社もの企業とM&AをしてきたRIZAPが描く「自己実現産業」の在り方

RIZAPはご存知の通り、パーソナルトレーニングジムの運営がメイン事業です。その一方、現在までに70社とM&Aを行っており、のべ85事業を手掛けているグループ企業としての側面もあります。
領域はアパレル、スポーツ、雑貨等の小売、食品など幅広く、一見すると「ジムとは全く関係がない」と思われる方も多いでしょう。しかし、数多くの企業とM&Aを行ってきた背景には、RIZAPが目指すストーリーや事業構想が深く関わっています。
今回はDX事業本部本部長の鈴木さんに、その内容についてお話しいただきました!

さまざまな領域の企業とM&Aした背景にある「自己実現産業」の構想


―RIZAPは現在70社とM&Aをして事業領域を広げています。なぜここまでM&Aに積極的なのでしょうか?

鈴木:当社が「自己実現産業」を目指そうとしているからです。簡単に言えば、人がより成長し、より良い人生を送れるような事業展開ですね。この究極的な目標を実現するために必要なのは、ジムのパーソナルトレーニングや食生活の管理だけではありません。生活に関わるあらゆる領域を網羅的にカバーしなければならないからこそ、70社の企業とM&Aをしてきました。

―自社のみでさまざまな領域を展開する方法もあると思いますが、M&Aという手法を選んだのはなぜですか?

鈴木:ライフスタイルに関係する幅広い事業展開をする上で、自分たちの力でゼロから全てを立ち上げるのは非効率的だからです。自分たちがもともと手掛けてきた事業以外の部分は、M&Aで広げていきたいと考えました。

RIZAPで変化を遂げた人が、豊かな人生を送り続けられるようにしたい


―RIZAPが目指す自己実現産業の在り方について、より詳しく教えてください。

鈴木:基本的には、RIZAPを利用していただいた方を起点にして考えています。RIZAPというサービスは、体型にコンプレックスのある方などがトレーナーの指導のもと2~3ヶ月間かけてトレーニングを行い、目標体重まで痩せる、あるいは健康的な体型になることを目標としています。

大きな目標を達成した人には、見た目だけではなく生活のあらゆる場面でも変化が起きますよね。例えばこれまで着ていた服はぶかぶかになってもう着られなくなるので、買い直す必要があるでしょう。だとしたら、その人の体型に合った服を提供したい――そんな思いで、当社はいくつかのアパレル企業とM&Aを行いました。また理想的なボディラインを作るという文脈で、補整下着メーカーのMARUKOともM&Aしています。

RIZAPはトレーニングだけではなく食生活の改善も重視していますから、毎日の料理の仕方にも違いが生まれるはずです。その観点でM&Aしたのが、ホットプレートやミキサー、圧力鍋などさまざまなキッチン製品を取り扱っているオリジナルブランドのBRUNOです。

そのほかにも、体型のコンプレックスが解消されたら「もっと新しい趣味を見つけたい」「積極的に外出してアウトドアやエンターテイメントを楽しみたい」といったニーズも出てくるでしょう。そういった人に向けたサービス提供を目指してM&Aしたのが、サッカークラブ運営を行っている湘南ベルマーレです。

RIZAPを起点にして実際に変化を遂げた人が、その後もずっと豊かな人生を送る。そのために必要な商品・サービスを、RIZAPの経済圏の中で広く提供していくのが当社の目指す「自己実現産業」です。

―全ての事業を通して、「変える」が大きなテーマになっているのですね。

鈴木:そうですね。これはお客様だけでなく、M&Aをした企業にも当てはまります。当社がM&Aするのは何も成長企業ばかりではなく、業績が厳しく伸び悩んでいる、あるいはやりたいことはあるけれど実現できていない企業も数多くあります。
そういった状況でも、きちんと経営を立て直せば必ず良い方向へと向かっていく――そんな風に企業も変えられると考えていますし、そのためにRIZAPがこれまで培ってきた経営メソッドを存分に活かしている最中です。

今後もお客様に役立つ商品・サービスを網羅的に提供していく

―今後RIZAPが目指す方向性について、改めて教えてください。ベンチマーク企業などはあるのでしょうか?

鈴木:M&Aを繰り返しているといっても当社は総合商社とは異なる存在なので、これといってベンチマークしている企業はありません。「『人は変われる』を証明する。」という理念の実現に向け、今後もRIZAPを起点にした事業展開を行っていくのみです。

ただ、強いて事業展開や事業構想のイメージを挙げるなら、リクルートや楽天が近いかもしれません。例えばリクルートは就職や結婚など、人のライフイベントに役立つサービスを網羅的に提供し、人生の最適な意思決定に寄り添うビジネス展開をしていますよね。リクルートの場合はオンラインを中心に主に無形商材を取り扱っていますが、当社はどちらかといえば形ある商品・サービスで、同じようなビジネスの在り方を作り上げていくつもりです。


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