ある日の日記 ーそもそもー

十日えびすの提灯が灯ると
ああ、もうすぐ「今年」が終わるのだ、と思う

と、書く予定だった12月の日記だが
提灯が灯ることはなかった
行き交う人の口は覆われ
寂しい年明けの界隈を
ただただ目的のためだけに歩く

そもそも、日記を書いたことがない
これも、きっと日記ではない
予定のある日記など、そもそも ない

雪の予報が消えた
花でも買おうか、と思ってやめた
「今日の人数」を知らされる時間が
もうすぐやってきて

また 今日が終わる

ある日の日記 ー了ー

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