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カオティック・トーキョーとヤバい爺さん
老若男女、富めるも貧するも等しく受け入れる街、それが我が国の首都であるカオティック・トーキョー。
中野くらいで変な爺さんが乗って来た。
ギンギンに見開いた目、白毛混じりの無精髭、甘ったるい独特の匂い、欠けた歯、ヨレたチェック柄のシャツ。頭には何故か青色のヘルメットを着けている。それも打席に立つバッターが着けているやつ。手には駅に置いてあるフリーペーパー。見るからにヤバい爺さんだ。
ずっと独り言を呟いているが、何を言っているか全く聞き取れない。口ぶりから怒っている感じでは無さそう。「あれが明治大学か!」だけは何故かハッキリと聞き取れた。どうやら私に向かってずっと何かを言っている。髪で隠れたイヤホンを敢えて見せる様に出すと、喋りかける対象を変えた。それは判断できるのかよ。
彼は何処で降りて何処に住んでいるのか。
ヤバい薬をやっているのかいないのか。
ヘルメットは他の種類も持っているのか。
気になる。今日も東京は全てを受け入れている。きっと明日も、その次も。
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