『混沌情報過多のレストランで』

 嘘っぱちのメニューにお茶ぶっかけようぜ。

 昨日めでたく誕生日を迎えた猫又おかゆがオリジナル曲“ もぐもぐYUMMY! ”を誕生日配信で発表し、その後プレミア公開で動画もお出しされ、多くのファンが喜びの声を上げる中、なんかしょーもない争いが起こっていたようで。

 以前記事にさせていただいたホロライブ・オルタナティブ関連での一件。

 プロジェクト先発投手であった“ 宝鐘マリンが主役のツイッター漫画 ”の作者らしき人物が、ホロライブに案件をもらったようだが『再三に渡りあり得ない対応をされた』という旨のお気持ちをツイッターに連投し、さらにはbilibiliで配信を行なっている第三者に、その一件の断片的な情報を語る事を容認したらしい。

 この一連の言動と行動は当然燃料と認識され、界隈では様々な憶測と批判が飛び交っている。中には一方の発言から全容を把握することは出来ないから、公式から声明も待とう、というような真っ当な意見も見られるが、

 そもそも彼がその漫画を描くと誰が言っていたのか?

 前述した通り彼はあくまで“ 作者らしき人物 ”だ。
 ほぼ100%確定している事柄であっても、公式が明確に“ この人が漫画を描きます! ”という発言を、していないはずである(してたらごめんね)
 なので、公式としては静かにフェードアウトしようとも何ら落ち度はない。企画は諸般の事情で没になりました、ぐらいの声明はあってもいいと思うが、個人の名前をお付けして文章をお出しするほどの事案ではない。
 第一イラストだけを見て“ あの人だ! ”と分かるのは、その人を知っている人だけだからだ。そういう人たちが“ 一体何〇〇なんだ…? ”と面白がって真実を曝け出してしまったが為にこんな事になっている、という側面もなきりにしもあらずんばあやめを得ず。
 ちなみに私は一切知らんかった。「へぇ、これだけで分かるくらいには有名な人なのか」と思っていたが、あっちの方面で人気の人なのね。ホロに求めていない部分なのでそりゃ知らないわけだ。あと、ホロの絵を描く人は基本的にホロメンがRTする人のイラストしか拝見しない、というのもあるかも。
 ついでの話だが、これはVtuberの前世を暴きたがる人間の思考と同じであり、作品のネタバレを軽視する風潮の一端であることも理解しておくべきではないだろうか。 
 何でもかんでも多くを知ればいい、というものでもない。

 しかし今回の件で運営の、プロジェクトに関わる人物の選出基準に疑問を持たざるを得なくなったことも確かだろう。あくまで仮に案件を請け負ったのが彼だとして、だが。
 まず運営側は何故自社のガイドラインでNGを出していることに関わっている人物を起用したのか、掘れば簡単に“ 過去のイマイチな言動 ”が出てくるのに、何故それを軽視したのか。
 過去の発言は過去のことだから、かもしれないが、契約を結ぶ上で人間性というのも重視されるべきである。自社の抱えるタレントにも迷惑になりかねない文章を送りつけているのだし、そんな人物をそのタレントに近づけるような仕事を何故任せたのか。
 運営側にも色々言われているが、とにかくもっと気にかけて欲しいと思うのは、やはり“ タレントのこと ”だ。
 前回の記事でも書いたが、オルタナティブプロジェクトと所属するタレントはあくまで別の人物・キャラクターだ。しかし双方が双方として存在していないと成り立たないコンテンツであることは確かだ。
 とは言え、どちらかと言えば“ ホロライブのタレントありき ”のオルタナティブプロジェクトであることは言うまでもない。完全に対等な立ち位置というのはオルタナティブが成功した時に初めて生まれる付加価値であり、ぶっちゃけた話、タレント自身に関しては“ 蚊帳の外の話 ”なのだ。
 にも関わらず、宝鐘マリンが自身の配信で、経緯も分からないのに釈明をする、あるいはせざるを得ない状況になる、というのは如何なものか。
 そうなる前に手を回すのがマネジメントではないのか?
 何故会社の都合でおじゃんになった、自分の関わっていない企画の為に、もやっとした不快な気持ちを抱えなければならないのか。
 桐生ココの一件然り、昨日の猫又おかゆの配信機材トラブルの件然り……大きなイベントごとだけに力を注ぐのではなく、日々の活動にも細やかな配慮を徹底してほしいと感じた。
 
 今や情報は秒で更新されていく。何か起こればすぐに拡散され、その拡散された情報も数分、時には数秒で塗り替えられていく世界。
 こんな一件ですら有象無象が群がって、様々な言葉を飛び交わせ、事実無根なことに根を生やしては、それに水をあげる者も現れる始末。
 まさに混沌、情報過多のレストランだ。
 ただレストランというのは、自分で食べたい物が選べる。でも選べる物が全て嘘っぱちなら、それを食べなくてもいい。お茶をこぼして見なかったフリしてもいいんだ。
 例えば君の居るところが実は戦場のど真ん中だったとしても、呑気に自分の食べたい物食べていようぜ。
 
 こんなことが起きている裏で、こんな意図で歌詞が解釈できるであろう“ もぐもぐYUMYY! ”が配信されていたのは、何だがすごい皮肉なんじゃないかな。
 毎度お馴染みピノキオP節の効いた歌詞が、猫又おかゆの掴み所のないキャラクターを象徴していて、まさに持ち曲としてふさわしい一曲だと感じるこの楽曲は現在各種音楽配信サイトで好評配信中なので、気になる方は是非聴いてほしい(ダイマ)
 単なるアイドルソング、キャラクターソングの型にはまらない、現代社会を風刺するような歌詞だが、そういうの全部飲み込んで気楽に生きていこうぜと、君の背中を押してくれる、そんな曲だ。
 
 というわけで、もぐもぐしましょうね。
 もぐもぐ。
 もぐもぐ。

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