『オルタナティブとかいうこの世で一番カッコいい響き』
『bloom,』
大成功だったようで何よりです。ちなみに前回の記事でbloomの後ろの点が“ . ”だったのは完全に勘違い。にわかぁ!
やっぱりリアタイ出来なかったのはつれぇなぁ、と“ あすいろClearSky ”を聴きながら思ってるわけだが……いや好き。この曲大好き。サビのエモーショナルが加速していく感じめっちゃ好き……つら。
とりあえず本ライブが収録されたBlu-ray Discがブシロード様から2021年に発売予定(ダイマ)だということで、初の流通アルバムと併せてワクワク楽しみに待ちたい。
で。
そのbloom,にて唐突に発表された“ ホロライブ・オルタナティブ ”というプロジェクトについて。
ホント急すぎて困るんですよこういうの。家帰ってきてこんなものバシッと突き付けられても感情が追っ付かないじゃない……頼むよもう。ありがとサンクスホロライブ。
で、どんなプロジェクトかというと、
VTuberプロダクション“ホロライブ”
そこに所属する彼女たちの、同じようでいて違う、
あるいは、違うようでいて同じーー……
そんな、ほんのすこしだけ別の可能性。
これは、もしかしたら存在するかもしれない
“とあるセカイを描く”、異世界創造プロジェクトです。
(ホロライブ・オルタナティブ公式HPより抜粋)
とのことです。ふんわりしている。
でもこのプロジェクト、上手いこと考えたなぁ。
Vtuberの活動方針はだいたい二種類に分かれると思う。
完全にキャラクターに寄せるか、キャラクター性を持たせつつ魂の素も見せていくか。
前者はいわゆる“ ロールプレイ ”と呼ばれるスタイルだが、個人的にこれを究極に徹底することは不可能に近いと思っている。
何故なら、どこまでいってもその子を“ 演じる ”ことになってしまうからで、演じるという気持ちひとつが一生活動の障害になるからだ。
リスナー側もそれを信じ込む、という力を入れなければならない。いつ推しが素を出してしまわないか、ヒヤヒヤすることもあるかもしれない。
これは現実のアイドルと同じで、彼女達も“ 理想のアイドル像 ”というものを常に崩さないよう、肩肘張って活動している。非常に精神的な体力を消費するお勤めだろう。
それに比べると魂ありきのスタイル、というのはやはり楽な方法だ。基本は本人の思考通りに動けるわけで、端々でキャラクター性を出す単語を繰り出せばいい。
分かりやすい例で言うと“ 兎田ぺこら ”。
彼女は語尾に“ぺこ”を付けるという万人に理解しやすいキャラクターを加えているが、言動や行動はある程度本人の素だ。その素がキャラクターの方にピッタリハマった例でもあるが、そこはそれ。
また“ 常闇トワ ”もいい例だろう。彼女は魔界の悪魔で悪戯好きではあるが、実際の配信を見る限りそんな悪魔的所業はあんまりない。よく煽ったり可愛い悪態をついたりはするが、根が良い子なのか、どうしてもそれが表に出てくる。そんなだからTMTとか言われるんだぞ。
結局のところ“ 何を求めて視聴するのか ”、その気持ちによって好みが分かれる問題ではあるのだが、“ する側 ”にとってやり易いスタイルというのは間違いなく後者の“ 素を出していく ”スタイルだろう。当然その方が配信内容にも“ らしさ “や“ 人間味 ”が滲み出て、それがまた魅力に繋がることもある。
そういう意味でも今回のオルタナティブプロジェクトは、更にキャラクター性を広げていく一方で、一人歩きさせられる企画であろう。
アニメMVでも流れていたように、ホロメンが活き活きと、ここではない何処かで生きていた。当然それはアニメ上での演出で、実際の彼女達とは異なるものだ。フレアは弓を構えないし、団長は竜を投げ飛ばさないし、船長は海賊船の船長にはなり得ない。
しかしこれは“ ひとつの可能性 ”で、そして彼女達を彼女達たらしめる“ 要素のひとつ ”でもある。
つまりプロジェクト概要コメントにもあった“ 同じようでいて違う、違うようでいて同じ ”というのは、
・“ 本当の宝鐘海賊団船長 ”としての宝鐘マリン
・“ 性欲こじらせ変態お姉さん ”である宝鐘マリン
この二人を同時に存在させようという、試みなのだ。
それはつまり後者の宝鐘マリンが雑談で突拍子もないことを言っている他所で、前者のマリンがお宝探し航海の“ ロールプレイ ”をしている、ということになるのではないか。
深く意識することもなしに、キャラクターそのものが別の場所で彼女を演じてくれる。かつ、その演じている彼女もまた普段配信している彼女なのだから、そこで生きる彼女もまた、彼女の魂だ。
ややこいこと言っているなぁ!
ともかく。オルタナティブが充実していけばいくほど、誰もがキャラクターの持つ世界観を完全に壊すことなく、伸び伸びと自由に活動をすることができるようになるのでは?と、私は思うわけである。
当然徹底したロールプレイを望む視聴者にとっては、ロールする努力もしないこじ付けに聞こえるだろうが、逆に言えばこの先ホロライブは徹底したロールプレイをするライバーは望んでいない、ということになるんじゃないかな。
あくまで、彼女達の素の個性を尊重しているように思う。
とまぁ、うだうだ書いたが結局のところ“ メディアミックスの為の布石 ”だとも思う。
つまり完全にキャラクターとして他所様にお出しする場合に使う“ 媒体 ”というか……例えば、ソシャゲのコラボ。
今だとbloomで発表があったようにD4DJにコラボキャラクターとして登場しているが、それもあくまで配信者という形での出演だ。あれは現実に近い世界観を持ったゲームだからこそ実現したが、そうではなく、いわゆる剣と魔法の世界に彼女達を登場させよう、となったら、やはりそのままでは無理がある。
そういう場合が今後あるから、より世界観を広げていこう……という側面もあり得るのかな、と。
ホロライブは、私が見始めたのがまだ数ヶ月だというのに、その数ヶ月でも察するぐらい、どんどん箱が巨大化し、展開が広範囲になってきている。
このホロライブ・オルタナティブプロジェクトにより、それに更なる広がりが起き、もっともっとムーブメントが拡大していくことを、しがないリスナーとして、片隅から期待したい。
でも、全ては大きさや広さで決まるわけではない。
その辺りは気に掛けていて欲しい。
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