フォローしませんか?
シェア
○斯波弟の館・寝所(夜) 白拍子を胸に抱き眠る斯波弟。 斯波弟の家来1「殿、夜襲にござい…
○鵺の隠れ家(夜) 草に覆われている小屋。 薪割り台に座り赤子をあやすトミ。 道化、背を丸…
○一休街 泥濘に立つ無数の蓆小屋。 木柵で囲まれた川辺の一角。 幣衣蓬髪の非人たちが牛馬…
○(回想)お今の屋敷・表(夜) 道化(20)庭の木にかけのぼる。 灯を手にした侍女と大君(…
○勧進の寺(夜) 大君、舞台を指す。 大君「義視。あれに舞うは神なんだよ」 畠山兄「左様で…
○浄土院・庭 舞台。しゃぐまにささらの田楽舞。 連なり踊る道化、犬丸、英林。 ほろ酔いの義…
○同・薪小屋(夜) 眠っている道化、犬丸、英林。 道化、身震いをして目覚める。 不動の面を被った男が静かに立っている。 不動面「……」 道化「……もし。もし」 道化、犬丸と英林を起こす。 悲鳴を上げる犬丸。 英林「何者だ」 不動面の男、鉄扇で道化を指す。 不動面「それは我が台詞よ。そこな者」 道化「私はただの河原者にて」 不動面「偽りを申すな」 英林「我は越前国人英林孝景」 不動面「もの狂いよ。うぬには聞いておらぬ」 英林「無礼者! もの狂いはこやつの方だ!」 道化
○(フラッシュ)花の御所・寝所(夜) 黒装束の道化が衛兵と刃を交える。 ○浄土院・薪小…
○闇 道化の声「一番古い思い出は紅き泥濘。その心地よさ。温かさ」 ○河原 血に塗れ、這っ…
〇勧進の寺(夜) 西方東方問わず、襲い来る兵を次々に斬りふせてゆく道化。 能舞台が血に染ま…
○浄土院・庭(夜) 月下、ひなびた庭内を歩く道化。 英林の声「道化」 松の影から現れる英…
○九条大路 肩をいからせ闊歩する西方武士達。 輿で唄を口ずさんでいる義視。 英林の声「待…
○森 ほの暗い森を彷徨う道化と犬丸。 四つん這い、ましらの如き道化。 犬丸、木の根につま…
○花の御所・北の花亭 立烏帽子に白い直衣。 盃を手に簀子に胡坐をかいている八世室町大君(29) N「御恩と奉公により支えられてきた武士の政は行き詰まりを見せていた。奉公すべき戦もなく、与えるべき恩も尽きたその時代。際限なく増え続ける武士の家をひとまとめにする為に、時の大君、いや、彼の側近達はある制度を打ち立てた」 大君の傍らに侍る直垂姿の勝元。 勝元「長子相続。兄弟は血縁である以上に、君臣でなければなりませぬ」 大君「耳が痛いな」 勝元「斯波畠山の愚弟。それに便乗する、