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【島根県】 隠岐の島 産科総合診療医 加藤一朗先生〜子供が産めるということは未来がある場所ということですからね〜◆Vol.2 #file6

こんにちは!離島医療人物図鑑のことくです。

前回までは隠岐の島で産婦人科、総合診療科として働く加藤先生にどうして隠岐の島で働いているのかについてお話ししていただきました。


今回は加藤先生が思う離島医療の魅力についてお話ししていただきます。


ーーー加藤先生にとって離島医療をするやりがいはなんですか?


離島医療のやりがいとしては、この島に住んでる人が病気になっても安心して医療が受けられて、そして元気になって、自分の家に帰れる。ということが一番のやりがいです。それがどのようなことで反映されるかわかりませんけども、みなさんが喜んでもらえるのが一番やりがいかなと思っています。

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©️コウノドリ17巻


また、今産婦人科の仕事もやっているんですけども、赤ちゃんがうまれて、その赤ちゃんが、大きくなっていくということを実感できるのも離島医療の魅力と思っています。道を歩いていたりとか、スーパーとかの様子を見ると嬉しいですよね。


離島医療の大変さも、やりがいにつながっている。


患者搬送する際に、どうしても海がありますので、場合によってはドクターヘリを呼んだりとか、天候が悪い時にヘリが飛ばなければ自衛隊の輸送機をお願いしたりします。

例えば重症患者がいて、ちょっとこの島では完結できないような患者さんが発生した場合に、本土への搬送っていうのが、まあよくあります。

寒波が来た場合にはもちろん、搬送手段が一切無くなるわけで、その時にどういった対応をするかということや、普段の搬送に関しても、一分一秒を争うようなことがよくあるので、そういう時にいかに臨機応変に対応するかが、やはり離島医療の一番の大変さ、裏返してみるとやりがいでもあるかなと思っています。



シミュレーション教育で隠岐の島を一つのチームとして人命救助を行う。


私の趣味というかライフワークはシミュレーション教育なのですが、普段から病院のスタッフや消防の方とシミュレーションや勉強会をしています。


いわゆる緊急事態に備えて普段から、スタッフ間でシミュレーションをやっています。


5年くらい前にあったのが、この島の沿岸で、嵐の日に中国の船が座礁しました。それで傷病者が沢山出たんですけども。座礁した船の近くまで行って、傷病者、中国の方々をトリアージして、搬送するということを経験しました。


ただ、その時はですね。もちろん病院だけじゃなくて、消防の皆さんだとか、海上保安庁の皆さん、それから警察の方、もちろん町役場の方、色んな方と協力しながら、座礁した船に乗っていた中国の方々にどう対応して行こうかと、相談しながらやったのは貴重な体験だったのかなと思ってます。


ーーそれで先ほどおっしゃていたシミュレーション教育がいきたんですね。


そうですね。普段から消防の方々とはシミュレーションとか勉強会はしていますので。いわゆる顔の見える関係を一応作っています。

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救急の方達とのシミュレーション


病院スタッフはみんな仲もいいですし、何かあった場合に一致団結して困難をクリアしていこう!という気持ちは、恐らく、離島の病院として人一倍強いかな、と思っています。

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病院スタッフとの救急蘇生のシミュレーション

ーーーすごいですね。ありがとうございます。それでは、離島医療をする上で必要な事はなんだと思いますか。

そうですね、特に必要な事はないかなっと思っています。どこに住んでもやっていけるという気持ちさえあればどこの島でも行けると思います。

ーーーなるほど(笑)

んー、離島医療だからってわけではないですが、みんなと仲良くやっていけるってのが一番かなとは思います。あとは、今の生活をいかに楽しむか。これが一番かも知れませんね。

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愛犬とのお散歩


もちろん医療従事者も含めて、やはり島民の皆さんと仲良く、コミュニケーションをとって、生活していくってことが大事かなと思います。


あ、ごめんなさい。やっぱ一番大事なのはですね、家族の理解だと思います。これまでの派遣された先生とか見てるとですね、やはり家族の理解、単身赴任で来られる方もいらっしゃるんですけれども、やはり家族がこの島に住んでなかなか難しいと感じると、1年2年で帰る方が多いです。

なので、やはり家族の理解が一番だと思います。

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©️コウノドリ17巻

ーーありがとうございます。学生や若い医療者に向けてアドバイスやメッセージがあれば教えてください。


若い学生さんや研修医の方、医療従事者の方。みなさんなんですけども。どうしても島に来る前は離島医療は不便だったりとか、医療資源が少なくて大変だろうという思いがあるかもしれません。

実際に当院にも医学生が実習とか、研修医の先生が沢山来られるんですけども。実際来てみると、意外とできることがいっぱいあったりだとか、そんなに生活が不便でなかったりとかいうことをよく言うので。



もし離島医療に興味がある方はまずは一回は見に来て欲しいなあと思います。



隠岐の島に興味を持った方はこちらを!



島根県は総合診療が熱い!





助産科「あかり」 | 隠岐広域連合立隠岐病院

コウノトリ 17巻も是非!






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ーー本日はお忙しい中、ありがとうございました。


編集後記

妊婦から子供、お年寄りまで何でもみれる加藤先生。これから少子高齢化が進む日本の地域医療のロールモデルになること間違いないと感じました。加藤先生はシミュレーション教育を通して、力強く、温かく隠岐病院を、隠岐の島を最高のチームに作り上げているなと感じることができました。自分も加藤先生の様な家庭医を目指し成長していこうと思えました。加藤先生お忙しいところ本当にありがとうございました。





この記事を書いた人

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小徳羅漢
鹿児島県の奄美大島で妊婦から子供、お年寄りまでみれる家庭医を目指して修行中。茨城産まれ神奈川育ち、離島医療してるやつだいたい友達。好きな言葉は「大器晩成」です。





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