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『叱らない子育て』は放任なの?

『叱らない子育て』という言葉をよく耳にします。間違ってしまいがちなのが、『叱らない子育て』=『放任』という図式です。『叱らない』のだから、どんな場合でも叱らない方がいらっしゃいますね。周りから見れば『放任』と思われてもおかしくないでしょう。


お友達を叩いた、道路に飛び出した、というようなことに対しても『叱らない』というのは明らかにおかしいですしね・・・。七田眞氏の子育て論では、親御さんがいない時でも「善悪の判断ができる」ようにしてあげるのが『しつけ』だ、ということですので、しつけをしないというのは、『善悪の判断が自分でできないまま成人させてしまう』ようなものかもしれませんね。


私が教室でお母さま方にお伝えしているのは、

『叱らない』というのは、頭ごなしに怒鳴ったり、威嚇したりしない、という意味にとらえて下さい。もし、お子さんが間違ったことをしてしまったら「諭す」というのが正しい対処の仕方ですよ。ただ単に、「これはよくないこと」「これはよいこと」として淡々と事実を伝えるだけです。子どもは幼稚な存在ではありません。善悪の判断基準を持ちたい!って思ってます。そして、この判断基準を一旦持ってしまえば、それこそ『叱られるようなことをしない子』になるので(だって、善悪の基準があるんだから)親が諭す場面も減っていきますよ。面倒ですが、一つ一つ積み重ねてください。決して親のその時の気分に任せてしまったり、親にとって都合がよいとか悪いとかではなくて、普遍的な「善悪の基準」にして下さい。


ということです。

親の顔色、というのが善悪の判断基準になっている家庭も多いように思います。それではいつまでたっても「お母さん」が横にいないと、善悪の判断がつかない、ということになります。

ただ、この『叱らない』子育て(=叱る場面が減っていくような子育て)を実行するには、大変重要なファクターがあります。

それは、母子の信頼関係がしっかりと培われている、ということです。


私たち大人も、自分が心から信頼している人から諭されたら、素直に聞いて「そうだな」と従えることも、全く信頼関係のない人に対しては素直に従えないどころか、反発心が起きてしまいませんか?
要は、お母さん(お父さん)とお子さんが心からつながっていて、「お母さん(お父さん)は僕のことを本当に愛してくれている。お母さん(お父さん)は僕を信頼して認めてくれている。」とお子様に思われていることこそが、『叱らない』子育ての原点なのです。
七田眞氏は『母子一体感』と呼んで、このつながりが子育ての原点だとおっしゃっていました。長年小さい子どもさんの教室をしていて、たくさんの親子さんを見てきましたが、『母子一体感』こそが、子育ての本質だと実感しています。 


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