あの日誓った友情は #6
あれから数ヶ月。
私はサツキ、そしてサツキの結婚式後に帰国したカエデと3人でカフェにいた。
「カエデの息子くんに会いたかったな〜」
残念がる私とサツキ。
「私も会ってもらいたかったー…でも、せっかく久しぶりに友達に会うんだからって旦那がね」
「じゃあ、この子が産まれたらまたみんなで会おうよ」
サツキのお腹には赤ちゃんがいる。
元々カエデが帰国したら会おうという話をしていた私達は、サツキの赤ちゃんが安定期に入り、ようやく実現できた。
ちなみに、サツキの旦那様はとても心配症で一緒に飛行機に乗ってやって来て、私達にサツキを託すと適当に観光でもしてくるからごゆっくり、とひとり歩いて行った。
何年かぶりの再会に、時間が経つのを忘れるくらいお喋りをした。
とても、楽しい時間。
あの頃の私達とは変わってしまった。
サツキもカエデも結婚して妻となり、母となり、母となる。
私は、少しだけ変わったかな。
今ここにアオイもキキョウもいない。
アオイはもう誰が連絡しても一切何も返してこなくなった。
LINEグループからもいなくなってしまった。
それが彼女の私達への返事なのだろう。
キキョウは、後にわかった事がある。
サツキの結婚式の日、彼女は彼氏と旅行に行っていた。
仕事、というのは嘘だった。
サツキとカエデの気持ちはわからないけど、少なくとも私は彼女を受け容れられなくなった。
私はサツキとカエデ、3人でのLINEグループを作り、そこで今回の集まりの話を進めた。
私の気持ちを察したのか、2人とも何も言わずにいてくれていた。
私は、“5人”にすがりつき、“5人”でいられない人に“5人”でいる事を押し付けていた自分に「もういいじゃん」と言えるようになった。
“5人”への拘りを捨てたのだ。
“うちらが結婚する時は結婚式に呼び合おうね!”
“子供ができたら家族ぐるみで旅行しようよ!”
“死ぬまでこの関係でいたいね”
無邪気だった私達5人は、“過去”となった。
ばいばい。
数年前難病に罹患し、身体が不自由になってしまいました。 今はほとんどの時間を自宅で過ごしていますが、少しでも社会に出たい気持ちがあります。 電動車椅子を購入する資金にさせていただきたく、厚かましくもサポートをお願いさせていただく事にしました、 よろしくお願い致します<(_ _)>