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読書メモ17「ある奴隷少女に起こった出来事 」

「キリスト教のベースがないとピンと来ない外国文学」
というジャンルが私の中にあるんだけど
(たとえば少女ハイジ、ナルニア国)
このリンダ(ハリエット・アン・ジェイコブズ)が
神と子どもへの愛で乗り越えてるのはもう本当にすごい。

奴隷制度は本当に同じ人間のすることかと思うようなものであるが
古代から存在はしている。
戦争も多かったんだろうから捕虜から奴隷にとかありそう。
ただ、人種と紐づき、現代に至るまでの差別の礎になったっぽいし
やっぱりアメリカの奴隷制度はひどいのだろう。
そもそもどうにもならないことをもって差別するのは
差別するような知性しか持ち合わせていない人が悪いのだろう。
その時代の中ででも、目を閉じて生きる人は今と同じように
たくさんいたんだろう。
目を開いた人は、最近の日本ではちょっと違う方向に開いてたりするけどね。

お手伝いさん、とは

「モノ」としてしか見ていない(魂がある=人間→奴隷にできないから黒人には魂がないと信じてる人もいっぱいいたらしい)のに
セックスしたり執着したりするんだ・・・というのが
なにより意外。

そして生まれた子どもも当然奴隷。
奴隷の再生産。
ご主人様の子どもだけど、奴隷。
白人の奥様の子どもは奴隷にならない。

奥様、嫉妬に駆られて奴隷を迫害。
いや、夫をしばけよ・・・。
と思うけど、これは
男性は浮気されると自分の相手を責め
女性は浮気されると相手の女を責める
という謎心理システムがよく言われるけど
その通りなんだろうな。

じゃあ離婚してひとりで!
というわけにもいかないくらい、アメリカだって
女性が財産を持っていいわけじゃなかったし
ある意味で「持ち物」だったんだろう。

産ませて増やした子どもは
別の家に売られることもある。
母親の目の前で。
なにそれ。
人間としてやっていいの?
なんで平気なの?
バカじゃないの?

と思うのは21世紀を生きる私だからであって
その時代時代にある「常識」や「正義」なんかは
全然違うもので、今の基準で当時を裁くわけにはいかない。

悪いものは悪いけどね。
ホロコーストとか。

名目上の奴隷制度はないけれど、
人間みんな金の奴隷になってる現代社会。
たとえ奴隷だとしても、リンダのように
気高く、愛をたくさん抱えて生きていたいものだ。

「夜と霧」くらい、
読んだ方がいいかもしれない。
おしまい。


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