読書メモ19「ルポ無料塾」
「待っちゃいました」
という一言が私を泣かせた。
お母さんは自分を捨ててないかもしれない。
来てくれるかもしれない。
自分が立ち去った5秒後に来るかもしれない。
その気持ちが目的地に進むための1歩を止める。
だって、子どもだもの。
大人だって難しい。
無料塾からのぞき込む教育の闇。
教育自体が企業の下請けみたいになってるから
闇も何もないんだけど。
大体、「高等教育」の場である大学に
「即戦力になるような力を付けてから送り込んで」
とか企業が言うのが間違ってるだろ。
そして専門まるで関係なく「学部卒(4大卒)」として
採用する。
全員が高校卒業したら1年くらい職業訓練しに行って
そっから採用したらいいんじゃないのかね。
専門性をピカピカに磨いてやることはテレアポだったり
勝ち逃げ老人のご機嫌取りだったりするんじゃないのかな。
よく分からないけど。
医学部も臨床出るなら基本的には「職業学校」なんだし。
1年の職業訓練後に「専門職」「学問」「就職」とかに分かれて
そんなんでいいんじゃないのかなあ。
企業が頭悪いというか、営利目的なので当然なんだけど
教育とかそういうのは二の次三の次で
選考も採用活動も手を抜きたい。
そんでもって無難なとこで高学歴、しかも高偏差値の人いたら
それでいいじゃん?
くらいにしてるんだろうから。
統計的にも「普通のまとも」な人は
高学歴高偏差値のところにいるんだろうからね。
高すぎても低すぎても、偏りだけれども。
そんで「国立出たのに使えない」とか言う奴いるんだから
企業とかマジで頭悪い人雇ってるよねと思う。
学歴「だけ」で人を採用するとそんな人間も来ちゃうのかな。
ってか、学問と実業は違うじゃん・・・。
実業系の大学からだけ採用すればいいのにね。
教育にお金かけて、見せ金みたいなテスト偏差値を上げて
「いい学校」
に行っても、残念な人になったりする話もよく聞く。
でも、教育を受けないと即座に残念である。
残念直結である(自験例)。
ただ、教育を受けなかったら残念になるのが早いけれども
砂の城にお住いのプライドだけ肥大した厄介人よりは
害がないように思う。
ま、学のない私が言うことでもないし
何を言ってもルサンチマンな雰囲気になるけれども。
私は「ほぼ」中卒だからね。
虞犯少年→養護施設に措置入所
高校入学で出所&親元へ。
入学式の後のHRで担任が
「この学校は一応進学校だ。昨年度の卒業生で就職したのはたったの3人だ」
と言った。
そしたら教室は笑った。
担任も笑った。
笑うところなのだろうか?
虞犯少年でも入れる程度の学校なのにもかかわらず
そんなことを言ったから
そのことを笑ったのか?
真ん中よりちょっと上くらいの学校なので
多分そうじゃなく、バブル時代なのもあり
「就職するしかなかった人」
を笑ったのだ、多分。
頭に来たので、それきり学校には行かずに退学した。
3年間お勉強だけして過ごすこともできた時間を
持つことができなかった後悔はあるけれど、
あの学校を辞めたことは今もこれっぽっちも後悔してない。
子育てしながら通信で高校は出たけど
やっぱ毎日授業を受けて勉強したかったなと今も思う。
だから息子の教科書をもらって「受験のためじゃない勉強」したりする。
記憶するためじゃない勉強。
何はともあれ、
私のような「今のご時世なら虐待だった」みたいな
ネグレクトな寂しい子どもが世界からいなくなってほしい。
私がいるよと言いたい。
私がいなくても、無料塾があるよと言いたい。
何も言わなくても、そこにいてくれる大人がいるよと。
子どもが「会社予備校」じゃなく
「学校」で「教育」を受けてくれたら。
そんなことも願わなきゃいけない。
居残りで先生と話しながら宿題やることができなくなったのは
先生も忙しいのもあるけど、
変質者、お前のせいだかんな!
マジ許せねえ(こっちも被害者である私)。
私は「コマ前キッズ」だった。
あの頃に、
ただ私という人間がいることを認めてくれて
無条件に認めてくれて
何も話さなくても、ただ隣にいてくれるだけの
大人がいてくれたら。
私が運よく生きているだけで
今のトー横キッズと大差なかった。
「このままでは死ぬ」
と担任が言ってたと後で聞いた。
私に笑顔が戻った時に、先生は泣いてくれた。
「ライ麦畑でつかまえて」みたいなことを言うけど
私もキャッチャーになれたら。
きっとね、無料塾がそれだと思う。
答えなんて出なくて当然。
キャッチャーでいるだけで、それだけでいいし
そこに意義があると思う。
おしまい。
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