ツボナージュとは?2


この70、80年で日本人の生活は大きく変わりました。
身体全体を使って(時には酷使して)井戸から水を汲み、薪を割って、お米を炊き、お風呂を沸かし、田畑を耕していた生活から、
目と頭を酷使して働き、遊び、座りっぱなしで運動不足の生活へと変化しました。

これによって治療すべき場所も変わりました。
簡単に言うと! 表から裏に変わったのです!

現代人が、もっとも酷使しているのが目と頭です。その治療ですが、昔は、うつ伏せになった時に太陽が当たる表の部分にある、後頭部の付け根にある風池というツボを中心に、後ろ首の筋肉をほぐすことで目と頭の疲れはとれていました。

ところがテレビから始まり、パソコン、スマホ、タブレットと光を発するモノを見続けて仕事をし、スマホゲームなどでプライベートな時間を楽しむ現代人の目や頭は、奥深くまで疲れ切っていて、後ろ首の治療だけではほぐしきれなくなっています。

凝りが後ろ首から前傾部まで貫くようになって、胸鎖乳突筋(鎖骨の付け根部分から首の横を通り、耳の下あたりに沿って浮き出る筋肉)という大きな筋肉全体が凝ってしまっています。

その結果、治療点は太陽が真上にある時、影になり裏になる部分の前傾部に移動したのです。

とくに大切なのが、胸鎖乳突筋の内側(喉仏の方)と裏側の治療です。
この大きな筋肉の裏側や内側を触ってみると硬くて太い棒状の凝りに触れることが出来ます。
この凝りを前回書かせていただいた最高に質の良い力を使って、しっかりツボをとらえながら治療していくと、骨のように硬くなっている筋肉は徐々にほぐれ、氷が解けるように溶けていき、胸鎖乳突筋ごと、とっても柔らかい筋肉変化していきます。
また元々の治療点であった頸の後頭部の付け根にある風池というツボもスッキリと、ほぐすことが出来ます。

これでビックリするくらい目の疲れや頭の疲れは改善されます。
頭の中でも脳は、その体積に対して、もっとも血液を必要する臓器です。
首が凝り過ぎていては血流不足で疲れが取れず、パフォーマンスも落ちてしまうのも当たり前ですよね。
目にも同じことが言えます。

もう一つのツボナージュ独特の治療点は腋下です。
腋下といっても腋の下のデリケートな部分ではなく、肩関節に覆うようにある三角筋という大きな筋肉の背中側の裏側を治療します。
ここには前傾部の凝りにそっくりな感触のコリの塊があります。
この凝りは身体の奥深いところを貫いて前傾部の凝りまでつながっています。

これをほぐすことで肩から首への深い凝りがほぐれてくれます。
つまり首肩凝りの両方を深いところからほぐすことが出来るのです。

次回は背骨と下半身の治療について書かせていただきます。

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