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【lyrics】ロマネスク戀愛譚【オリジナル】

ともに、死んでくれ給へ
退廃の眼差しに 情念は燃え上がり
君は愛を乞う

あたしは微笑ってみせる
憐みの眼差しで 静かに本を閉じて
君を抱き寄せて

書生の生真面目と 病的な高潔で
まだ青い春を生く 愛しき無垢な君

戀をひとかけら くちびるに落としましょう
君をこの胸で弟をあやすように
誰も侵すことのない 物憂い耽美な部屋の隅で


それは、甘いロマネスク
絶望の眼差しで 散り急ぐことだけに
君は酔い痴れる

あたしは接吻するの
憐みの眼差しで 真っ赤な口紅(べに)をひいて
君を抱き締めて

幼い純情と 痛切な慟哭で
嗚呼、青い春を知る あたしの無垢な君

蜜をひとしずく 玻璃杯(ギヤマン)に注ぎましょう
君を安らかな夢の奥へ導くため
誰も触れることのない 切なく甘美な愛の果てへ


儚い幻想と 狂的な一途さで
ただ青い春を惜しみ 壊れる無垢な君

戀をひとかけら 鮮血に浸しましょう
君を美しく永遠にとどめるため
誰も穢すことのない 悲しく耽美な時の底で

何も怖くはなくてよ 静かに君よ、お眠りなさい


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