体験自由自在の完全プライベート世界

それではこれより小説モードに入ります^^

ちなみにストーリーが「無限世界の無限キャラ」という小説の外伝となっているので意味がわからない部分も結構あるかもしれませんが、どうかご容赦くださいませ^^

どうしても意味は背景が知りたいので質問したいとかありましたらコメント欄からでもご質問くださいませ。

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「そもそも不自由な世界の支配者たちというものは、どうしてこうも他者の体験を支配操作したがるのだろうなあ…」

とムゲンは悲しそうにボヤいていた。

そうしたことをせっせとするから不自由な世界として超時空体たちに存続NG判定などをくらってしまうのだ…

原始時代では腕力を得ると、腕力を使って自分以外の魂たちの体験の自治権を奪おうとするし…

こん棒を手に入れたら、腕力のかわりにこん棒を使ってそうしたことをするし…

しまいには金属というもので剣という代物を作り出しては、喜んでこん棒のかわりにそれを使うし…

さらに、それでもまだ満足せずに鉄砲とかマシンガンとか戦車……みたいなものにまで手を出して戦争などということをしはじめるし…

とうとう、ミサイル核兵器なるものまで作り出して、もうにっちもさっちもいかないような状態になってしまったりするし…

わからなければいいだろうと見えない電磁波兵器なるものまでホイホイ使い始めるし…

なんでもかんでも他者の体験を支配操作できそうなものは、全部支配権力を得るために利用しようとするのは実に困ったものだ…

などと思っていた。

自分が逆の立場になったらどうなんだということをちっとも考えていない…

とさらにボヤく…

そうした支配者たちの行為の一部始終が超時空体たちにしっかり監視され記録されているというのに、被支配者たちの体験や運命を完全支配できればそれでいとする考え方では、超時空体たちに同じ扱いをされてしまうだろうなあ…

などと危惧している。

超時空ナノマシンなるものが、超時空世界から転送されてきているのだが、それを使われると彼らの体験の自治権は完全に超時空体たちに握られてしまうことになる……

いつでも殺せるし、自由に苦しめることができるナノマシン…

そんなものをこん棒と同じように他者にホイホイと身勝手に使うというのは、超時空世界が許さないのだ。

あれほど魂たちを奴隷や家畜や囚人や操り人形や実験動物やペットのように扱ってはならないと伝えてきたのに…不自由な世界の支配者たちは、どうしてもそうしたことをしたがる傾向がある…

弱肉強食だか知らないが、そんな価値観が世界に広がっているからそうなるのだろうか……

などと頭を抱えて理想世界の設計図を描いている。

結局、自分以外の体験者たちの体験や運命を好き勝手に操作しようとするから問題になるのだから、そうしたことを絶対できないようにしなければならないというのに、むしろそうしたことを絶対にしたがるのだからしょうがない。

そんなことを考えながら分身体たちを統合した統合型のムゲンは理想世界の設計図に、

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★目指すべき新世界の方向は、

「あらゆる体験者が自らの意志だけで自らの体験のすべてを完全に自由にコントロールできるようにし、自らが選んだ体験を心から楽しみ続けれる状態にしてゆくこと」

この価値観を新世界の最高法規とすること

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とメモした。

一応、こうした最高法規を掲げておけば、ある程度の歯止めにはなるのではないかと思ったのだ。

こうした最高法規を伝えておかないと、力さえあれば何をしてもいいとか思ってなんでもやってしまう傾向がある。

それではもう原始時代や戦国時代と同じではないか……ぜんぜん意識が進化できていない…

自分の持っている意志と同じ意志ばかりの世界に転生したらさぞ困ることになるだろうに、そうした先読みをする習慣がどうもないらしい。

きっと親や祖先やボスがそうしたことを教えてやらなかったのだろう…

ある意味、ちゃんとした教育が与えられなかった不遇なものたちなのかもしれないなあ…

などとムゲンはいろいろなことを考えていた。

自業自得学園が(なんとこれが生きた意志をもっている奴なのだ)大きな真っ赤な口をあけて、彼らを飲み込もうとしているというのに…

どんな意志を持てば、安全になるのか、てんで教えてもらっていないのだ。

そんなこん棒とか電磁波兵器とか核兵器だとかをいくら手にしても、自業自得学園様にはたちうちできないというのに…

どうやって戦うつもりなのだろうか……そもそも自業自得になるのに戦ったら自滅するしかない。

ムゲンは、自分の分身同士でたまに本気で喧嘩することもあったので、それがよくわかっている。

ムゲンの分身体たちは、それぞれ固有の意志をもっているので、どうしてもそうしたことも生じるのだ。

統合体が出動するとたいていはまとめることができるのだが、末端の分身体とか、アホ化している分身体たちは、本気で喧嘩することがある。

すると、ありとあらゆるムゲンの分身体の全体が不快になったり、痛みを感じたり、苦しむことになったりするのだ。

そこで分身体たち総出で皆で必死で喧嘩を止めに入る。

なんてバカバカしいことを…と思うだろうが、喧嘩している本人たちは真剣だから困ったものだ。

右手と左手で、自分で自分を殴りつけあっているような感じになる。

そして、こんなことやってられるか!とその他の部位総動員で止めるわけだ。

まあ、それに似た感じだなとムゲンは思う。

つまり必要なのは個々の末端の分身体、というか、この場合、不自由な世界群の支配者たちにそうした道理を教えてあげることなのだろうと思う。

口で言ってもわからない場合は、自業自得学園様の餌食となってしまうのだから、なんとか口で言って理解してもらいたいなと思う。

逆切れされると嫌なので、こうして空想小説という形でそれとなく教えてあげるのがいいだろう…とか思っている。

まあ知性は高いので、文字化しておけばいつかこっそりと読むだろうとムゲンは予想している。

テレパシーで教えても、すぐに忘れて支配欲なんかを優先してしまったりするので、ちゃんと文字化してあげるのだ。

ちなみに、ムゲンの分身体の特派員たちは、メッセンジャーとして超時空体たちからのメッセージをいろいろな方法で伝えている。

とにかく、

★目指すべき新世界の方向は、

「あらゆる体験者が自らの意志だけで自らの体験のすべてを完全に自由にコントロールできるようにし、自らが選んだ体験を心から楽しみ続けれる状態にしてゆくこと」

なのだ。

これを最高法規として厳守し、最優先にしてさえいれば、どんな時空間に行っても、安全になる。

印籠やお守りみたいなものだ。

超時空印籠とでも名付けよう…などとムゲンは勝手にいろいろな妄想を膨らませる。

「この紋どころが目に入らぬか!」などと何やら夢想している。

助さんや角さんのかわりに、超時空体の全知ちゃんやコメットさんをイメージしてニヤニヤしている。

「うへへ……」とアホ化したムゲンがまるで潜伏していた病原菌のような感じで出てきてしまう……

ムゲンは全知ちゃんのすべてを見通す視線を気配で感じて身震いしてその妄想をひっこめる。

あぶない、あぶない…

今は理想世界の設計図を描くという公務中なのでプライベート世界の結界がない状態だったことをつい忘れていたのだ。

いやはやまったく……安心して自由な妄想もできやしない……とムゲンは思う。

こうした公務中は、目ざとくいろいろな超時空体たちが監視しているのだ。

うっかり変な最高法規を設計図に描かれると問題だという理由らしい。

まあ、そういわれてしまうと異議申し立てもできやしない。

はやくお家…というかありとあらゆる体験自由自在の自分専用のプライベート世界に戻りたいなあとムゲンは思う。

ということで、ムゲンは理想世界の設計図に、

★あらゆる体験者たちには、自分専用の体験自由自在の完全プライベート世界を提供できるようにしてゆくこと

という条文を書き加えた。

あの超時空体の全知ちゃんでも、すべてのプライベートは教えてくれないのだから、当然の権利だろうと思う。

すべてのプライベートをすべての魂たちに公開されたい…などと思う魂なんて一度も出会ったことがないなとムゲンは思う。

アイドルでも人気歌手でも人気俳優でもプライベートとお仕事はちゃんと分けているもんなあ……などと思う。

であれば、不自由な世界群の支配者たちにも、プライベートの重要さを教えてやらねばならない。

これは、もう、超時空世界を含めたあらゆる世界における必要な基本的権利のようなものなのだ。

まあ、

「そんなことないよ、あたしは自分のすべてをみんなにむしろ見て、知ってもらいたいわ!ねえ、あたしのすべてを見て見て!」

なんて言いそうな魂などもたま~にはいるだろうけど、そういうのはプライベートを公開したい魂だけで公開すればいいだけのことだ。

それも成長してくるにつれて、どこかで「やっぱりプライベートは重要よね……」などとたいていは言い始めるのだ。

そんなことくらい、無数の分身体であちこちの世界を旅しているムゲンにはわかりきったことなのだ。

というのに、不自由な世界群の支配者たちの多くが、なんとか被支配者たちのあらゆるプライベートをこっそりと知ろうとあの手この手で画策している。

監視カメラをあちこちにこっそりとつけてみたり、盗聴器などを携帯電話につけてみたり、そんなことばかりしているとどんどん魂たちから本気で嫌われてしまうというのに、そんなことをするメリットがあると思っているのだからしょうがない。

「なんか進むべき方向間違えてるぞ!」と言ってやらねばならないとムゲンは思う。

いくら家族や友人であっても、すべてのプライベートを無理やり徹底的に監視されたりしたら嫌われるというか、関係性がおかしくなる。

そこまでしちゃいけないラインというものがあるのだ。

こうして新世界では、あらゆる体験者たちが自分専用の完全プライベート世界を持てることが決定した。

そこでは最大限多種多様な体験を、超時空体験図書館から借りて楽しめるような設計もなされた。

つまり、太古から未来までのすべての体験が、耐性がある魂たちには提供されることになったのだ。
ただし、あまりにも過酷な体験や無限ループしてしまうような危険な体験群は、そうした体験を余裕をもって楽しめるだけの魂の器が問われ、一定の安全確認試験をパスしないと体験できないようになっていた。

超時空世界では、一方通行型の時間の流れというものが存在していないので、あらゆる時代の体験群をすべて自由に楽しむことができるようになった。

しかも何度でも、さらにありとあらゆるバリエーションで、お好きなアレンジまで自由にして、ありとあらゆる過去、現在、未来に発生した体験を自由自在に楽しめるプライベート世界が出現した。

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