在留外国人と自動車保険1
法務省によると令和6年6月末の在留外国人の数は358万8,956人と過去最高を記録したそうです。
保険は保険約款を理解していることが前提で契約しますので、日本語の理解力が低い在留外国人とは、保険契約をしてはいけないのですが、自動車免許を取得している在留外国人が無保険で自動車を運転するのも怖いですね。
実態とすれば、在留外国人は自動車保険に加入しています。
私は以前、大手自動車メーカーの企業城下町で代理店経営をしていました。
20年近く前の話ですが、その地域には工場労働者としての日系ブラジル人が多く住んでいました。
日系ブラジル人はルーツは日本人でしたが、工場で労働して日本で生活する上で日本語が話せなくても暮らせたので大多数の人は日本語が話せませんでした。
しかし、彼らは普通に自動車免許を取得し自動車を運転していました。
彼らは自動車保険にも加入していましたが日本語が理解できないので、補償の内容も自動車保険のルールも知らないままに契約していると思われました。
そこで、私たちは当時、日本に約10万人いる日系ブラジル人にポルトガル語でサポートする募集人のチームを構築出来たなら営業的に成功するのではないかという仮説の基に日本語とポルトガル語が堪能な日系ブラジル人を募集人として採用することにしました。
しかし、損害保険の募集には保険の資格が要ります。ましてや損害保険会社の研修生として本格的に損害保険のプロとして仕事をする為には、かなりの日本語能力が必要となります。
採用活動を始めて1年半、条件に合う人は見つからず、半ばあきらめた時に後に日系ブラジル人の募集人のリーダーになる人に巡り会いました。
彼は、大手損害保険会社の研修生として入社して、1年で収入保険料3000万円を獲得したのでした。その成績は、通常の研修生で優秀とされる成績の5倍、驚異的な成績であり、私たちの仮説は合っていたことの証明になりました。
その後は彼の活躍により次々と日本語能力の高い日系ブラジル人の募集人が集まり、組織を構築して5年でゼロから1万件の自動車保険を獲得することが出来ました。
このように、在留外国人に対して自動車保険を母国語でサポートする事は強力な営業の武器となり収入保険料を伸ばし続けました。
しかし、ある問題が生じたのです。
そのことについては、「在留外国人と自動車保険2」に続きます。