モノローグでモノクロームな世界

第六部 第一章

一、
 きっと、彼女は頭が良すぎて。
きっと、色々な物が見えすぎて。
きっと、彼女は世界を歩くには純粋すがいて。
きっと、もうぎりぎりで。

だから、きっと、その結果はしょうがなくて。
だから、きっと、誰が悪いわけでもなくて。
だから、きっと、止める手段なんか最初から無かった。
だから、きっと、彼女から手を離したのだろう。

そう、分かっていても。
だけど、やっぱり、寂しくて。
だけど、やっぱり、悔しくて。
だけど、やっぱり、どうしようもない、やるせなさと後悔が残って。

だから、僕は彼女の死を知っているというのに、
今でもこうして、探し回っている。
永遠に見つからない、探し人を求めて。

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