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2024年度東大理三合格者による合格戦略



執筆者の紹介

某中高一貫校に通い,2024年度に東京大学理科三類に合格しました。その経験をもとにこのアカウントでは何があっても東大理三に現役合格するための戦略を発信していきたいと思います。内容としては,試験会場での立ち振る舞いや時間配分・解く順番,直前期の食事管理,メンタル維持方法をメインに紹介していきたいと思います。

合格証明書

一部伏せますが,合格の証明を下記に記します。
合格最低点+約52点,合格者平均点を上回って合格をしています。


合格を目標にしてはいけない

 私は大学入試合格を人生の目標にしてはいけないことを伝えたくて執筆活動を開始しました。私自身は中高時代に塾の下で,最高の環境で勉強ができました。しかし,そうしたコミュニティーの大切さは大学入学後,失ってから気づくものです。手遅れになる前に冷静に自分を分析して,大学入学後の生き方を考えておく一助になればと思っています。
 さて,理三合格者には主に以下の3つのタイプがいます。

  1. ある程度の記憶力を前提として,有名大手塾に通って良質なテキストを使い,ど根性努力で入学する人(執筆者もこの内です。)

  2. 非常に高い知能をもっていて,高校時代から様々な活動や勉強を行いつつ,塾の教材や独学を効率よく織り交ぜて,合格する人

  3. 地方出身で要領よく地道に努力を重ねて,合格する人

 1,2,3の良し悪しがあるわけでは有りません。ここで理科三類合格を目指す方に伝えたいことは,ど根性努力は思考停止に等しいため,入学後苦労する可能性があるということです。1のパターンの場合往々にして,合格することが自分のアイデンティティになっています。その場合,入学した瞬間にそのアイデンティティを持つ人に囲まれるわけですから,とっさに自分を見失います。若い10代の間を受験勉強だけに使うのではなく,心を動かす体験を沢山しておくことが大切です。

 そして,1番タイプで理三に合格した人は大抵の場合,周りの地頭の良さや東大の授業の難解さに衝撃を受けることでしょう。そのときに意識してほしいことが大きく3つあります。

  1. 東大の前期教養の講義はとても難解(特に数学)だが試験は計算ができれば大丈夫なので,自分で本を買って補おう。

  2. プライドを捨てて,頭のいい人に頼ろう。

  3. 五月祭や駒場祭のクラス代表のような学校行事に全力で参加しよう。

東大にはクラス制度があり,理科三類合格者は理科二・三類で合同のクラスとなります。理三合格者はかなりの時間を勉強に費やしている,かつ男子校・女子校出身者が多く,男女混合クラスの人間関係に慣れない人が多いです。東大の前期教養はその意味では勉強ばかりしてきた人が集団での立ち振舞を学ぶチャンスでしょう。はじめの内は理三ということで勉強を教えてとクラスの人に頼られると思いますが,1の人はそういうキャラにはならないように注意してくださいね。理由としては,

  1. 理三生はどうしてもサボりたい・遊びたいと思ってしまうが,前期教養は生半可な勉強じゃ全てを理解できないこと

  2. シケタイという制度に1のタイプは適応できないこと

が挙げられます。1のタイプの人は不安を感じやすかったり,繊細さが故に与えられた塾や学校の課題をまじめにこなしてきた節があるので,そういう人はプレッシャーに弱いです。自覚がある人はなおさら身の振る舞いに注意してください。あとは,そもそも1タイプは正直東大理三に入るべきではないのかもしれません。まじめにみんなで頑張って良い医者を目指そうという雰囲気の医学部に行くほうがいいかと思います。
 受験勉強は他者と競争し,自分を高める戦いです。これが長く続けば続くほど,他者という視点が薄れて自己意識が肥大化していきます。これはある程度は仕方のないことなのですが,それがいわゆる自己愛性パーソナリティ障害のように高まった状態になるとあまり良くありません。大変な受験勉強であっても,「周りと一緒に成長する」・「周りは敵ではなく仲間」という意識だけは忘れないようにするべきです。また,自分のいるコミュニティーを
大事にしましょう。
 受験勉強によって視野は下図のように狭まっていきます。


入試前後の視野の広がり

そしてこの2つの→が交差するところが合格地点だと思ってください。合格者を待ち受けるのは,「合格という答え」のない無限に広がった未知の世界です。そのことを胸において,主体的に自分の頭で判断する,他者と良好な関係を築くことを肝に銘じておくことは,受験生時代から意識しておくべきことでしょう。
 受験勉強で要求される能力自体は反復練習と再現性に磨きをかけることで,正直に言えば学問や知能とは全く関係のないものです。そのことは忘れないようにしてくださいね。

以下では実践的な試験場での振る舞い(試験場での立ち振舞〜食事・直前に身たもの・時間配分など〜)を述べていきます。ここまでの文章に少しでも私の「理三受験への本気度」を肌で感じでくださった方は,ぜひ以下の文章をご購入ください。

力学のまとめノート

試験場での立ち振舞い〜食事編〜

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