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キーワードは「一緒に」

前回のノートでは、このコロナの状況下と私の向き合い方についてまとめた。その結論として自分に今できることに取り組んでいくことから始めたいとまとめた。

その第一歩として同期の仲間と勉強会を始めた。勉強会と言ってもかなり緩いミートを不定期でスタートすることになった。発案者の私と最初に声をかけて2人、そして第1回目のゲストの4人でオンライントークを。

【メンバーの「新しい習慣」】

最初にメンバーの近況とコロナ自粛の過ごし方を共有。「習慣」がキーワードになっていた。筋トレをしている人、本を読む習慣をつけた人、新歓を頑張っている人、インターンや仕事に忙しくしている人。そしてみんなオンライン授業が始まって一週間。少しずつ生活のリズムが固定されてきた時期だということがわかった。さらに、少しずつ前向きにこの時間を有効活用できているメンバーの集まりでもあるということに喜びを感じた。

【ガーナとコロナ】

今回ゲストの彼女は、サークルのインターンシップとしてガーナに6週間滞在していた時の話をしてもらった。「学生だからこそできる国際協力」を学ぶために現地入りし、テーマは、「現地の人との対話」を大切にしていた。
もちろん現地での学びを聞きたいも思っていたが、この春に行っていたため、現地の様子やコロナウィルスへの対応についてメンバーも聞きたいと考え、今回はそこに焦点を当てて話をしてもらった。

そもそもガーナには、手洗いの習慣がないという。そのため、この事態に対応するのにも時間がかかることが予想されるだろう。その予想とは反対に、政府の対応は早かったという。国内の感染者が7人に達した時点で学校は閉鎖され、それから一週間以内には国境の閉鎖も大統領によって決められた。そのため、飛行機が飛ぶことはなくなり、空港では混乱により人が溢れている状態となったという。現地のニュースでも報道されるようになり、タクシーの運転手なども敏感に対応を始めたという。

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【現地の人が考えるコロナ】

この新型コロナウィルスが流行し始めた頃の世界の反応と同じように、現地ではこのウィルスの脅威を理解するまでには時間がかかったようだ。

「暑さに弱いから平気」
「政府が大げさに反応している」
「政府の対応が民衆へのアピールの材料になっている」

このように、政治に対する様々な意見があることや、民衆の間でも意識の差があった。このことによって国がかなり早いうちから対応を取ったのではないかと彼女は考えている。
一方で、彼女のようにインターンや留学をしている人にとってはとても大変だったという。彼女だけでなく、いろんな人がいろんな地域に滞在している。そのため、帰国の手配や現地の情報を正確に掴むことも大変だ。

【現地の報道】

そもそもアフリカにウィルスが入ってきたのは遅かった。3月の中旬から後半にかけてだった。その中で、コロナウィルスそのものに関する情報は、レストランや人が集まる場所では報道されていたが、家ではなかなか見れなかったという。そのため、その家や地域の代表のような立場の人が調べることで情報収集をしていた。英語で全てが報道されるわけではないため、彼女も現地の言葉ではあったが状況が「やばい」ということは伝わってくるぐらいの報道の仕方だったという。

ニュースでは、コロナウィルスがどのようなものか、初期症状、症状が出た際の対応などがメインだったという。加えて、アジアからのウィルスということは報道されていたようだ。そのため、現地の人からするとアジア人と日本人は同じに見えてしまうため、彼女も「コロナ」と言われてしまうこともあったという。さらには、彼女の前を通る人が急にマスクを目の前でつけるなどということもあったという。
彼女に限らず現地ではバナナ農園では中国人労働者も一定数いるため、影響があったのではないかと話していた。

このウィルスに対応が早い国でもあり、彼女がアジア人(日本人)であったからこその苦労が見られる。これは難しい問題だと私は感じている。彼女自身に非があるわけでは全くないが、現地の人もわからないため責めることはできない。しかし、彼女がアジア人であるから発症源ではないことはわかっているだろう。彼女の言葉にはなかったがきっと苦労したし、傷づくこともあったと思う。誰を責めることもできなく、そのような対応を目の前で取られることもきっと辛かったと思う。しかし、彼女はこの話を共有してくれた際にはどこか受け入れたことが伝わってくるような話し方であった。きっと彼女はその時は感じることがあったがそれ以上に良い経験が現地でできたのだなと私は感じた。

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【ガーナでの生活】

もちろんコロナウィルスのことも勉強したいと考えていたが、そもそもガーナのことを私たちは知らなかったため、基礎情報も共有してもらった。

キリスト教徒が一番多く、食は主に米、麺は伝統的ではないが、ボランティアや海外からの人向けに作ってくれているものもあったという。ケンケやフフと言った辛いスープにつけて食べるような料理が主流。このような食べ物はだいぶ床が散らかるものの、その後すぐに片付けるという習慣がないという。その日はそのままで、翌朝全員で掃除するらしい。現地の家には、水道があるところもあるが、村で井戸から水を汲む場合もある。交通手段としては、トロトロという乗り合いの乗り物は自由に乗り降りができ、バスは目的地が決まっており、トロトロの方が便利だという。

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【現地でのインターン:教育現場】

彼女のインターン先は、NGOが立てた現地の私立学校だった。もともと公立だったものをNGOによって建て直したという。幼稚園、小学校、中学校、高校とあるが、学年が上であればあるほど生徒数は少ないという。いわゆる、ドロップアウトが多い。中学から高校へ上がる際に国の定めるテストを受ける必要があり、諦めてしまっている生徒とも多いようだ。その他にもお金がかかること、学校に行く時間にアルバイトであったり、物を売ることを考えるともったいないという考えが多い。加えて、イベント会場の設営や掃除のアルバイトでは、学生でも関係なく時間が学校と重なる時間に指定されるという。12年間学校に行く時間と、その間に毎日少しでも稼ぐ事を比べてしまう。結果、教育に投資する意味が見いだせなくなってしまう。親が教育を受けてこなかった場合も多く、教育を受けさせてもらえない現状がある。
日本では、教育は当たり前であり、やる気があるかないかなどの問題の大きい場合ものある。

そのため、彼女は、「どのようにして教育の大切さを伝えられるのか」を課題としている。

私立学校と言っても、地域によって大きいさがある。首都の私立に通う生徒は、お金に余裕があり、かなり裕福な家庭が多い。一方で彼女のいた田舎の場合は特に、NGOによって作られているため、学費も都会に比べると安いという。公立校は、大学の教育課程を卒業している人のみが教師務めるため、先生の質はかなり高いという。しかし公立校における問題は生徒のオーバーロードである。お金がないけど教育を受けたい生徒の多くが公立校を選択するため、施設が足りなくなり、教室のオーバーロードが発生してしまう。施設がないため、先生の数は足りていたとしてもクラスを分けることができないという。
ガーナでは、教育政策に取り組んでいるという。このような状況もあるが、政策としては、今の政府が中学校の無償化に取り組んでいる。そして、労働環境改善のために先生の賃金を上げることにも取り組まれているという。

教育を受ける側の環境、そして教える側の環境も今後まだ課題があるものの、改善は期待できるのではないか。そしてやはりこの問題の根端にあるのは、教育の大切さをより多くの人が知らなければ変わらないということでもあると感じた。

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【ガーナでの6週間を終えて】

最後に彼女は6週間を終えて思っていること、感じたことを共有してもらった。現地に行くまでは、問題を発見して解決するっていう意識が現地の人にはないと思っていた。いろんな支援であったり、外部からの力を頼りににしていると思っていた。しかし、現地の人意識はあるということを知った。そしてその問題に対してのアプローチ方法として、「お金」が一番に彼女の中では結論としてあった。

現地での経験を踏まえて、外部からくる人が現地のニーズを聞くだけでなく、「一緒に考える」ことが大切だと学んだ。「現地のニーズ」であるため、それをイメージやこちらの考えで動くことはステキなことかもしれないが、結果としてその想いがずれていたら本末転倒となってしまう。一方で、そのまま必要なもの飲み込み、それだけを支援するのも違うという。

【最後に】

「アフリカ」や「ボランティア」という言葉を聞いてまず何が思い浮かぶだろうか。どうしてもボランティアというのは、自分のエゴが入ってしまう。

「これが必要」「かわいそうだから」

大切なのはそこではなく、目的があって行動していることを考えなくてはならない。

「かわいそうだから」ではなく、「影響を考える人」が増えるといいな

と彼女はまとめた。

私たち学ぶ側もガーナのこと、コロナウィルスに関すること、そして教育のことを考える1時間になった。

誰かのために何かをする。誰かを助けてあげるための行動するのではなく、仲間になるという意識が必要だと考える。そしてそのためには、一緒に考えることを大切にしていきたい。

今回のキーワードは「一緒に」。ガーナだけでなく、私たちの今後のボランティアや活動への考え方も改めて考えるきっかけになる勉強だった。

次回の報告をお楽しみに!