お寺②

前回とはまた別の存在がいろいろなメッセージをくれる。
私を祝福してくれているのを感じる。

如来さまの前からなぜかなかなか動けない。
ただ泣けてくる。泣きじゃくる。

私は如来さまに向かって、私の心の中にいてください、と語りかける。
そういえば、同じようなことを彼に伝えたことがあったのを思い出す。
初めて会った時から、心の中にずっとあなたがいるって。だからいろんなことに向き合う勇気が出せるって。

私は彼に神をみていたのだろうか。

すると
『全ては神です』と聞こえる。

そうは思えないことも多いです、と言うと、そういうものです、人間ですから、と言われる。

300年以上も前からここにいる如来さま。
私は人目もはばからず泣きながら見つめる。

ここでこうやって、ずっと祈ることはできる。
それが仏の道なら、今の私にもできることはそれだった。

でも前回、別の仏像に言われたように、誰かが、いや私たちが手足となって、この仏の道を実践しなければならないのだ、とやっぱり私は涙が止まらない。
何回も深く礼をして、やっとその場を離れる。


前回メッセージをくれた仏像の前に来る。
やはり、しんとした気持ちになる。

前回、この仏像から直々に彼の名を告げられたことで、私にはもう逃げ場がないような気がしていた。
彼とのことは、気の迷い。実際何もしてないし。
そう口を拭って何事もなかったことにはもうできないのではないか、という、やっぱり頭がくらくらするような思い。

私は仏像を見つめる。

仏像からもまっすぐに見つめ返されている。おそらく。私の甘ったれた心の中全てを。

そうして私は
ああ、私は泥の中を這いつくばってでも、私のなすべきことをしなければならないのだという思いになる。
だからそう口に出す。

やっていきます、と。

『お前はやれる』と返ってくる。



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