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彼と、家族と

『彼と生きろ』

そう言われる一方で

『目の前の家族にも愛を注げ』

とも言われる。


私は心が引き裂かれそうに、なる。


私に一体どうしろと仰るのですか?

逆ギレのように、私は宇宙に尋ねる。


『お前には、それができるからだ』

そんな言葉が、返ってくる。
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夫のことも、娘のことも、きちんと愛してきたと、そう思っていた。

でも、彼と出会ってから、泣いても泣いても頭から離れてくれない男と出会ってからは、私は、誰のことも愛してこなかったのかもしれない、とまで思わされた。

20年暮らしてきた夫と、とにかく可愛がって育ててきたはずの娘とを前にして、そう思ってしまうことは、私にはつらかった。

それでも、彼が、私の中から離れることはなかった。

忘れよう、とか、ただの仕事仲間なのだ、とか考えて、そうだ、それが一番いいのだ、と一瞬は、思える。

でも、その後、私は力が、出なくなる。

心が全てシャットダウンされるような。

世界の色彩が、なくなるような。


彼と出会う前の自分に戻るだけなのだ、とも考える。傍からはどう見えたとしても、日常生活をそつなくこなしているように見えたとしても、その実、心の中では、私は別に、いつ死んだって構わないとかそんなことを考えながら過ごす毎日に戻るだけなのだ、と。

そしてそれは彼も同じなのだろうな、とも。


彼と出会ったからこそ、知った愛を、これまで私が持っていたはずの愛よりももっともっと大きな愛を、今、私は家族に注げるのだ、と考える。

彼を愛したからこそ、私は、夫にも、娘にも、より大きな愛を注げるのだ、と。

私の中の大きな愛を引き出してくれたのは、彼だった。

私の中に本当はあったもの、でも、いろんなことがある中で、ホコリをかぶってしまっていた、大きな、輝く、愛。

そのホコリを取り払うきっかけを与えてくれたのは間違いなく彼で、多分、彼にしか、できないことだったのだろう。


ツインレイ、と言っても、人それぞれ、いろんな形があるのだと、聞く。

結ばれて、結婚して、めでたしめでたし、の二人もいれば、敢えて、それを選ばない、ことにする二人だっているのだと思う。


でも、空に架かる虹。

虹ってすぐに消えてしまったとしても、一瞬でも虹を見たら、それは、虹を見た人生、になる、と私は思っている。

だから、出会えたことに感謝、する。

たとえ一瞬だとしても、愛を教えてくれたこと、大きな愛をもたらしてくれたこと、それは、何よりものギフトに違いないから。





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