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今日で最後の嘱託医としての診療

私はこの2年ほどは大学医局からの非常勤の他に、県内の病院に一般内科診療の非常勤医師として勤務しています。


後者は医局とは関係ない病院です。(他科からの派遣はありますが)

その仕事について、このnoteに書きたいと思います。


基本的には外来診療(30〜40人)と入院患者さんを10人弱診療するのですが、月に一度知的障碍者施設への嘱託医としての訪問をしています。

その施設は入所者と通所者が半々くらいで、合計50人程度の利用者さんがいます。

若い子は10代後半、上は50代くらい?

年齢としては小児の施設と高齢者施設の「狭間」にあたる方々になるかと思います。

先天性疾患(染色体異常)や精神疾患などがほとんどです。

暖かい ゆっくりとした癒しの空気

私はそこの施設に訪問するのが好きでした。

高齢者施設への嘱託医は過去に2年ほど行ったことがありますが、知的障碍者さんの施設は今回初めてです。

一人一人と接する時間は短いものですが、そこに流れる暖かい空気とゆっくりとした時間。

一般の外来診療とは違う、なんとも言えない癒しの空気。

今日が最後だと伝えなかった

そこに訪問するのは今日が最後となりました。

そちらの職員さんには私の勤務が今月いっぱいであることは伝えており挨拶もしましたが、今日の最後の診療の時にいつものように一人一人を診察、お話をしながら「今日で最後だな」と思いながらも利用者さんには最後であることは話しませんでした。

この一年は感染予防の観点から家族の面会や自宅への一時帰宅が制限されたりと、何かと不自由だったと思います。

職員さんの大変さ、苦労話も沢山聞いてきました。

ありがとうございました

2年間その施設を担当させて頂き、本当に良かったと思います。

普段の内科診療では味わえない経験をさせて頂きました。

利用者さんの約半数は女性で10代、20代など若い女性は男性医師の診察を嫌がる方がいるとのことで、私が担当することになりました。

初めはどのようにコミュニケーションをとったらいいのか戸惑うこともありました。

…会話が成り立たないことや意思疎通ができない方もおられます。

大きな声を出したり、診察の順番が待てない方もいたり。

診察拒否をされることもあり。

でも、彼らの笑顔は純粋無垢というか、なんというか…

上手く言葉では表せませんがとても素直な笑顔。

そんな彼らの笑顔に私自身が癒されていたのだと思います。

ありがとうございました。

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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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