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わたしとカレーとカレーうどん

(2020年8月)

先週末に作ったカレーが、ようやく終わりを迎えた。思っていたより長丁場になったのは、もちろんわたしがコンスタントに消費しなかったからだ。

そもそもはカレーうどんが食べたくて作ったカレーだった。カレーを作っておけば、在宅勤務で毎日お昼ご飯を作る手間も省けるし、間違いなくおいしいご飯を食べられるし、野菜も肉も摂れるし、ああやっぱりカレーは最強だなあと浮かれながら作ったカレーだった。

ちなみにわたしの家カレーの具は至って標準的な、肉、玉ねぎ、にんじん、じゃがいも。これがスタメンだし、基本的にゲストメンバーは登場しない。

第一回は調子に乗って茹でたオクラをトッピングした。夏感が増して、一手間加えた感もあって、カレー自体はまあ普通だなと思いつつ、気分は良かった。

けれど翌日、カレーを食べることはなかった。朝食が遅い時間になってしまって、日中仕事も忙しく、お昼ご飯を食べなかったからだ。(事実、お昼ご飯は食べていないけれど昼休憩はしっかり取ったから、仕事の忙しさは大して影響していない。)

三日目は朝ご飯をスムージーのみにして、お昼にわざとお腹が空くようにした。そうして腹ペコでカレーを食べたのだけど、大した感動はなかった。わたしは基本的に、毎食どんなチープな食事であっても"食べる、うまい、幸せ"という一連の流れがお約束であるけれど、そのときのカレーはただ食事を摂る行為だけだった。味がまずいわけじゃない。もしかしてわたしはカレーが好きではないのか?という不安がいよいよ現実味を帯びてきた。

そもそも、ここ一年くらいやんわり抱いていた「わたしはカレー好きじゃない説」は、先日「スパイスにこだわってます、刺激強い系本格的なお店のカレー」は苦手だという結論に至ったばかりなのに、まさか「一般的な家カレー」すら好きではないというのか…。思い返せば確かに、子供の頃からそんなにカレーで喜ばなかったな。

五日目、ようやく残りのカレーが半人前程度に減ったとき、わたしはとても嬉しかった。これでようやく"消費活動"が終わる。今回の目的であったカレーうどんが食べられる。

だいぶ煮詰まったカレーを出汁でとき、冷凍うどんを入れてカレーうどんが完成した。これこれ、わたしが食べたかったのはこれだ。

カレーがそんなに好きではない(もちろん嫌いではない)と認めることは、とても勇気のいることだった。カレーは日本国民みんなが好きな食べ物で、困ったときはカレーを作ればいいし、カレーを作って困ることなんてないと思っていた。けれどわたしは30歳にしてついに認めざるを得なかった。わたしは、カレーがそんなに好きではない!

これを公言するのもかなり勇気が必要だったけれど、周りにもちらほら共感してくれる人がいてほっとした。SNS万歳。

先日、夫の単身赴任先に一週間滞在したとき、数日分の夜ご飯に困らないようにカレーを仕込んだら、一日目でほとんど食べられてしまって(夫は自称カレー好き)、せっかく数日分のご飯のことを考えなくていいようにと思ったのに!と憤慨したけれど、わたしはカレーがそんなに好きではないとわかった途端、これからは数日に渡ってカレーを消費しなくても済む(夫が一日目に大量においしく食べてくれる)と思うと、それはそれで気楽にカレーが作れそうで、妙な安心感が芽生えた。ちなみにこのとき、二日目の夜ご飯はカレーうどんにしたけれど、二人分のカレーうどんがギリギリ足りるくらいしか残っていなかった。さすがに一日目に食べ過ぎでは?

カレーの全てが好きではないということではない。ネパール人のカレー屋で食べるバターチキンカレーやサグカレーは好き、特にナンが好きだし、カレーうどんはご馳走ですらあるということだけは言っておきたい。ということはカレーが好きではないのではなく、カレーライスが好きではないということなのかもしれない。

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