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映画 『思い出のマーニー』

(今回もネタバレを含んでおります。ご注意ください。)

『耳をすませば』『紅の豚』に続いて 三作目のジブリ作品。

「この世には 目に見えない魔法の輪がある。輪には内側と外側があって、この人たちは内側の人間。そして私は外側の人間。でもそんなのはどうでもいいの。私は私が嫌い。」

人のせいにすること、誰かを責めること、自分をかわいそうだと思うことの方がずっと簡単なのに 杏奈は 自分が嫌いだと言い、映画が始まる。

自分のルーツがわからない。
自分だけが取り残されたように生きている。
自分の存在は里親にお金が入るためのものである。

杏奈は12歳にして そんなことを考えながら生きている。
でも誰にも言うことができなかった。
誰かに言いたい、その思いが 空き家のはずの湿っ地屋敷に マーニーを生み出したのだろうと思って映画を見進めていくと それとはまた違った展開が待っている。

マーニーの両親は マーニーの側にいてくれなかった。放って置かれていた。
マーニーの娘は マーニーから離れ全寮制の学校に入ったことで 母を恨み別人のようになってしまった。
杏奈は マーニーと出会ったことで また表情を取り戻して 里親のことを「おばちゃん」ではなく「母」と紹介できるようにまでなった。

最後の最後に自分の目が青みがかっている理由を知った杏奈は 魔法の輪の内側に入り、自分を好きになることができたのではないだろうか。

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