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個に応じた指導をどこまでも…

教員のブラックぶりが明らかにされて久しいが、教育現場はどのように変化しているのだろうか。最近の話題として、「個に応じた指導」がある。すなわち、高等学校(教育困難校)では普遍的であった転・退学を阻止するよう、強い圧力がかかっている。もちろん、教員の増加は無く,そもそも定員すら充足していないのにだ!

今までの経験上、転・退学のケースは大きく以下の3つに分かれる。
このうち、指導拒否と不登校に関しての対応が近年変化してきた。
★指導拒否
★不登校
・友人関係のこじれ

★指導拒否
今までは、一日6時間座っていることが難しく、授業中に消しゴムを投げてしまったり、プリントを飛行機にして先生に向けて飛ばす生徒。免許を持っていないのにバイクを乗り回したり、校内で喫煙をする生徒で、繰り返し指導に従えない生徒は、より柔軟な指導が可能な通信制に転学する流れであった。

しかし近年は、「個に応じた対応」が強く求められている。その生徒の特性に応じて、何がその行動を引き起こすのか、そのような行動をとらないようにするためにはどうすればよいのか、特別支援の視点も入れて粘り強く指導する。ということである。教育的観点からは素晴らしい。ただし、「教員の増加は無く,そもそも定員すら充足していないのにだ!(再掲)」

★不登校
加えて,不登校生徒に対しても新たな対応が始まりつつある。今までは、全日制の高校に通うのが難しくなった生徒(多くの生徒は小・中学校も通うのが難しく対人関係の構築に困難を抱いている)は、心理的にも通学しやすい通信制高校へ転学し、高校卒業を果たしてきた。しかし、新たな制度の下では、半分程度はオンラインで学び続けることができるようになった。もちろん、その準備や対応は既存の人員である。

明らかに働き方改革とは逆行しているし、教員は全能ではないので、限られた時間でできることには限度がある。「個に応じた対応」を強く求められる裏で、暴れる生徒が在籍し続けることで授業が成立しなかったり、他の生徒との面談時間が削られたりしていく。結果として、まじめにきちんとやっている生徒に負担が強いられている。

兵站補給を軽視し、戦線を拡大し続けた旧日本軍と同じではないか?
教員採用すらままならず、定数も満たしていない現状で、更なる負担を現場に強いる構造が続くようであれば、教員の未来は暗い。

「仕事を増やすなら、教員も増やしてくれ!」

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